ジェンダーレス、環境配慮も
リニューアルは4年ぶり。これまでは黒に近いグレーを基調としたジャケットにスカーフ、スカート、パンプスといった装いだった。新たな制服は、色調はライトグレーとライトブルーに、種類はテーラードジャケットやスカートに限らず、襟なしのノーカラージャケットやワイドパンツ、カットソーやボタンダウンシャツなど、12品目を用意した。組み合わせは67通り。スタッフの私服と合わせたコーディネートも可能で、シューズも刷新を機に白のスニーカーに限りOKとした。
社会的、文化的な性差や環境にも配慮した。ジャケットやパンツなどは男性も着用することを想定。ワンピースは妊娠中でも着用しやすく、作業しやすいよう気を配っている。カットソーには素材の一部に、海岸に漂着したペットボトルを原料とした繊維を使用。ジャケットやパンツにも再生ポリエステルの素材を採用している。店舗で働きたいというモチベーションを高める上でも、見過ごせない要因となっているという。
「制服に求められる要素は従来、デザインや機能、コストがメインだったが、あらゆるステークホルダーに、企業としてさまざまな社会課題への向き合い方を示すツールとしての役割をも果たす必要が出てきている」(オンワードコーポレートデザイン サステナブル推進課課長 六川大河氏)
ファンケルの2024年3月期の店舗販売は、化粧品関連が127億8300万円で前期比8.1%増、栄養補助食品関連が74億400万円で同比27.0%増。店舗販売は20年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の影響で減収が続いていたが、底を打った感がある。
ファンケルの店舗は、2024年3月末時点で国内に159店舗。店頭スタッフは約1000人。
化粧品専門と栄養補助食品専門の売り場を合わせた「ファンケルハイブリッドショップ」から、双方のカウンセリングを強化した主軸店舗ブランド「ファンケルショップ」への置き換えを進めており、「ファンケルショップ」は25年3月末までに6店舗増やして130店舗にする計画。全体では155店舗となる予定。
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