生成AIを活用したブランド戦略 日本コカ・コーラ、「ジョージア」の若者ファン獲得図る

生成AIで占う「AI明日メーカー」ローンチ

日本コカ・コーラは、昨年刷新したコーヒーブランド「ジョージア」のコミュニケーション活動を強化する一環で、生成AIを活用した体験型プラットフォーム「毎ドラ部」のコンテンツを充実させている。これまでユーザーのインプットをもとにオリジナルイラストや音楽を生成するコンテンツを展開しており、5月13日には新たに占い結果を生成する「AI明日メーカー」をローンチ。SNSでも話題性の高い生成AIを利用することで、デジタル空間での認知拡大を狙っており、若い世代の購入行動につながっているという。今後、全国でキャラバンイベントを実施するなど、リアル体験との連動も強化する考えだ。


実データ グラフィック AI明日メーカー
5月13日にローンチした「AI明日メーカー」

ジョージアは1975年に誕生。昨年春に14年ぶりにブランドロゴを刷新するなど、大規模リニューアルを実施した。ペットボトルのユーザーは、従来は40~50代がメインだったが、若年層の取り込み強化を図ったことで20代の構成比も高まっている。ブランド刷新以降、コーヒーが好きな人だけでなく、コーヒー初心者の人気も高まっており、2023年3月20日~2024年1月末時点における「ジョージア THE ブラック」、「ジョージア THE ラテ」の累計出荷本数は4億本を突破した。

若年層への訴求で活躍したのが生成AIコンテンツを展開する「毎ドラ部」だ。「毎日って、けっこうドラマだ。」というブランドメッセージを体現しており、ユーザーが日頃思っていることを入力することで、AIがポジティブなアウトプットを生成する。2023年3月に第1弾としてリリースした「AIイラストメーカー」はユーザーがアップロードした写真をイラスト化するコンテンツで、総生成回数は145万回を突破。2024年2月26日には、写真からオリジナルの歌詞やジャケットを生成する「AIソングメーカー」をローンチした。

AIコンテンツでは、イラストや音楽など、若年層の興味関心を引きやすいジャンルを採用しており、今回新たに開発した「AI明日メーカー」は占いをテーマとした。占いたい事柄や今の気持ちといった項目を選択することで、占い結果を生成する。体験者が前向きになれるようなユニークでポジティブな内容を生成することで、ブランドメッセージの認知につなげる狙いだ。これまでのコンテンツと異なり、写真をアップロードする必要がなく、占いを日々の日課として利用しやすく、ブランド接点の拡大につながるとみている。

5月18日~8月25日の週末限定で「毎ドラ部」の人気コンテンツを体験できる「ジョージア毎ドラ部パーク」を全国10都市で開催する。マーケティング本部シニアブランドマネージャーの元木麻由氏は「体験を通じて自身の現在や明日が少しでも楽しく感じてもらえれば」と話した。


写真 人物 集合 向井氏(左)、浜辺氏(中央)、河村氏
新セレブリティに起用された向井氏(左)、浜辺氏(中央)、河村氏。5月13日のメディア向け発表会ではAIコンテンツも体験した

ブランドコミュニケーションの強化として、5月13日に、俳優の向井理氏、浜辺美波氏、バスケットボール選手の河村勇輝選手をブランドセレブリティに起用し、新たな広告ビジュアルを展開。異なる立場の3者を起用することで、どんな人の日常であっても特別であることを伝える狙いがある。同日、米津玄師氏の書下ろし新楽曲「毎日」を起用し、向井氏と川村氏が出演する新テレビCMも公開した。

ジョージアの主要ペットボトルコーヒー4製品「ジョージア THE ラテ」「ジョージア THE ブラック」「ジョージア THE 微糖」「ジョージア THE ゼロ」は今年2月にリニューアル。中味やラベルを刷新し、すっきりとした味わいが評価された。元木氏は「ラベルのリニューアルで、すっきりとした味わいを想起していることもポイントで、計画通りに推移している」と話す。また、缶コーヒーも計画通りに売れているという。

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