全広連東京大会開く 大平理事長「広告で、成長と分配の好循環を実現を」

全日本広告連盟(全広連)が主催する「第72回全日本広告連盟東京大会」が15日、帝国ホテル東京で開かれ、全国の広告会社や新聞社、放送局の幹部ら約900人が参加した。


写真 全日本広告連盟(全広連)が主催する「第72回全日本広告連盟東京大会」

全広連の大平明理事長は冒頭にあいさつに立ち、以下のように述べた。

「今年は大きなターニングポイントになる年だと思っています。長期にわたるデフレから脱却し、成長と分配の好循環を実現できるか。今年が正念場です。設備投資は半導体、EV、デジタル、人流拡大などを中心として、2年連続で20%以上の伸びを示しています。また賃金の上昇が、物価上昇を超えそうな一歩まで近づいています。

重要となるのは、GDPの50%以上を占める消費をいかに高めていくか。心のデフレから脱却するかにかかっています。新しい技術、新しいサービス、また従来ある製品・サービスに新しい価値を付加するコト消費にも、人の心を揺さぶる広告で、消費を活発化していき、新しい需要を創造し、成長と分配の好循環を実現させる役割を果たさなければなりません。

コロナ禍を経て、人と人とがつながること、集まることの尊さや広告を通じて社会や生活者にどのようなことができるのか。本日ご参集の広告主、メディア、広告会社が枠を超えてともに考え、知恵を共有化し、新しい絆をつくる行動をここから始めていただければと思います」

広告界の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「全広連日本宣伝賞」の贈賞が行われた。広告主対象の「松下賞」には、磯崎功典・キリンホールディングス代表取締役会長CEOが、「正力賞」には映画字幕翻訳者の戸田奈津子氏が、「吉田賞」にはアートディレクターの天野幾雄氏が、「山名賞」には写真家の篠山紀信氏がそれぞれ受賞した。

また、鈴木三郎助全広連地域広告大賞の贈賞が行われ、最優秀賞の海の中道海洋生態科学館(福岡広告協会推薦)ほか各社が壇上で表彰された。


写真 イメージ 鈴木三郎助全広連地域広告大賞の受賞事例
鈴木三郎助全広連地域広告大賞の受賞事例を会場で紹介

全広連大会は、全広連加盟の37協会の中から持ち回りで開催地が決まる。東京での開催は42年ぶり。例年のような、シンポジウムや地域の伝統文化や特産物の紹介、観光プログラムなどは行なわずシンプルな大会となった。大平理事長は、「今後は新しい全広連大会のあり方を模索していければ」とも述べた。来年の大会は、北陸新幹線の延伸に沸く福井市で開かれる。

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