創立50周年をきっかけに、クリエイターの発信機会を増やす
日本広告制作協会(OAC)は5月17日、展示イベント「未来を拓くニッポン・デザイン展」を開催した。創立50周年を記念した催しで、日本文化に根付いた表現技法やデザインの魅力を再発見してもらうことをコンセプトとしている。会場では1950年代に発売した本田技研工業のオートバイ「スーパーカブ」や、越後村上の伝統漁法と発酵技術で生み出した「塩引鮭」などを解説。節目の年を迎えたOACは今後、広告制作会社や広告クリエイターの作品や情報を発信する機会を増やす方針だ。場所は東京・渋谷の商業施設「ヒカリエ」8階の展示スペースで、期間は19日まで。
会員社による作品7点のほか、一般公募作品16点(グラフィック作品13点、映像作品3点)を展示。一般公募では広告関連企業のほか、学生や一般人からの応募もあり、約60点が集まったという。寄木細工や米作など日本文化に基づいた様々なテーマの作品が展示された。会期中はOACのWebサイトでも作品を公開する。
宇垣恵一専務理事は「OACという団体の取り組みを発信したい」とイベントの狙いを話す。これまで学生向けのセミナーなどを多数提供してきたが、会員社向けのイベントが比較的少なかったため、今回のような作品発表の機会を設け、モチベーション向上につなげる考えもある。
イベントの趣旨は「日本人も忘れていた日本の魅力を再発見してもらう」ことで、宇垣氏は「日本は昔から優れたデザインや文化を持っていることを再認識してほしい」と話す。会場では、大海に見立てた石庭の景観デザインや、日本画に見られるあえて余白を残すコミュニケーションデザインなど、日本の表現技法や美学の解説コーナーもある。日本人だけでなく、外国人の来場者にも日本デザインの魅力を周知したい考えだ。
名久井理事長は「アーティストとしての表現と違い、広告クリエイターの表現は社会や経済に関与したテーマが多く、生活に直結している」としており、一般人も楽しめる展示会を目指したと話した。
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