米国のCMOは今、何を考えている? 北米のマーケティング特化型カンファレンス「POSSIBLE2024」を現地取材(前篇)

ユニリーバが示したZ世代との対話の方向性とは?

ジェネレーションZ世代(Z世代)についても魅力的なセッションがあったのでレポートしたい。ユニリーバのElizabeth Hamilton(Associate Content Lead | Dove North America Unilever)がパネルとして登壇し、ブランドとZ世代との進化する関係について洞察したセッションだ。ダイバーシティ&インクルージョンとオネスティへの姿勢、ブランドがそのマーケティング・ナラティブを純粋に体現することの必要性を強調していた。

Elizabet氏は、マーケティング担当者がZ世代と関わる際に犯してしまう重大な間違いがあるという。それは、特にこの多様なグループを一枚岩として扱うことだと指摘した。また、Z世代がブランドに期待するのは、単に製品だけでなく、その背後にある企業の理念や行動も含まれることを強調。表面的なエンゲージメントや一面的なマーケティング戦略は、Z世代には響かないことを指摘した。Z世代は、“深み、信憑性、伝えられた価値観に沿った行動”を求めていると主張した。

そして、Z世代へのマーケティングを成功させる鍵は、単に正しい流行語を使ったり、最新のトレンドに乗ったりすることではなく、現実的な問題への持続的な取り組み、ターゲット層の価値観への深い理解、そして、まさにリーチしようとしている人々の意見や視点を尊重し、大切にする透明で継続的な対話が必要だと語った。特にサスティナビリティ、インクルージョン、社会正義など、自分たちの生活に直接影響を与える社会問題に関して、ブランドが約束を守るかどうかをZ世代は考えるという。


写真 人物 Z世代セッションの様子。
Z世代セッションの様子。Elizabeth Hamilton氏(Associate Content Lead | Dove North America Unilever)は写真の左から2番目。


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