オーガニックなソーシャルメディアの活用が過小評価されている 北米のマーケティング特化型カンファレンス「POSSIBLE2024」を現地取材(後篇)

ソーシャルメディアのオーガニックな価値にブランドは気付いていない?

北米最大規模のマーケティング特化型カンファレンスである「POSSIBLE」を現地で参加し、レポートする本記事。Walmartのリテールメディアの取り組みなどを紹介する前篇に続き、後篇をお届けしたい。

シリアルアントレプレナーであり、先進的思想家で、Facebook、Twitter、Uberなどに初期投資したエンジェル投資家で、総合広告代理店のクリエーター兼CEOであるGary Vaynerchuk (Chairman VaynerX)の基調講演も興味深かったので紹介したい。

Gary氏は、市場の飽和を解決するために新しい、非正統的な方法を見つけて消費者の注意を引きつけ維持する必要性がブランドにあると強調。現代のマーケティング戦略において、オーガニックなソーシャルメディアの活用が過小評価されており、さらに多くは未活用であることを指摘した。オーガニックなソーシャルメディア活用の潜在的な価値、影響が生活者の意識や消費者行動に大きな影響を与えるにもかかわらず、多くのブランドがその可能性を見落としていると見解を示した。

また、伝統的な広告方法を批判し、メディアとクリエイティブ戦略の分離について議論に至り、今日の急速な市場環境ではより統合されたアプローチが効果的であると提案した。

ゲーリー氏は、伝統的な広告指標からソーシャルメディアプラットフォーム上での直接的なエンゲージメント戦略へのシフトについて言及、広告のためだけでなく、ブランドナラティブの創出する主要な方法として、Instagram、TikTok、YouTubeなどのソーシャルプラットフォームを受け入れるよう提案した。さらに、こうした時代においては、メディア購入とクリエイティブ開発の分離は、マーケティング効果の低下を招く。メディアとクリエイティブ戦略を連動させて開発することで、マーケティングキャンペーンの効果を高めることができると主張した。


写真 人物 対談するGary Vaynerchuk氏とSwan Sit氏
写真左から、対談するGary Vaynerchuk氏 (Chairman VaynerX)とSwan Sit氏(Marketing Maven, Creator, Advisor & Investor Swan Co)。


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