30周年を迎えるブラックサンダー カフェとのコラボで新規獲得、有楽製菓

バレンタインなどの接点づくりで普及

有楽製菓は、主力のチョコレート菓子「ブラックサンダー」が9月に誕生30周年を迎えることを記念し、3月に25周年を迎えたサンマルクカフェとのコラボ企画を5月17日に開始した。期間は6月20日まで。コンビニやスーパーをメインチャネルとしている同商品を、サンマルクカフェのメニューと組み合わせることで、新規客や休眠客との接点拡大につなげる狙いだ。1994年の誕生からバレンタイン施策や地域限定商品の販売など、様々な施策でファンを獲得。同社によるとレギュラーの累計出荷本数は17億本を突破している。

サンマルクカフェとのコラボメニュー

コラボメニューでは、「ブラックサンダー ザクザクプレミアムチョコクロ」「ブラックサンダー ザクザクチョコレートスムージー」「ブラックサンダー イナズマチョコレートパフェ」の3商品をラインナップ。いずれもブラックサンダーの特徴的な食感を生かしたスイーツとなっている。

ブラックサンダーは1994年に発売。ココアクッキーとプレーンビスケットをチョコレートでコーティングした菓子で、同社の主力商品であった軽い食感の菓子「チョコナッツスリー」と対極の「重ため」「ずっしり」の食感をコンセプトとして開発した。見た目や原材料の「ブラック」に、子どもに人気がある戦隊ヒーローを連想させる「サンダー」を加えたネーミングとなっている。

当初は販売が振るわず、1995年に一時生産終了となった。当初は子ども向けの商品として訴求していたが、子どもにとっては当時の30円という価格が高く感じられたこと、パッケージが英字だったため、どんな商品か分かりにくかったことが要因と推測している。

九州地区の一部店舗で人気があり、復活を望む声があったことから、1996年にエリア限定で販売したところ、関西地区の大学生協で人気が出始めた。広報担当者は「大学生にとっては30円であのボリューム感がちょうどよかった」と推測。その後、コンビニでの販売、書籍での紹介、著名人の好物として知れ渡ったことで定番商品に成長していった。

特徴的な食感が長年愛されている「ブラックサンダー」

現在は子どもから大人まで幅広い層に人気。コンビニで購入されることが多いブラックサンダー(レギュラー)は、40代前後の男性に特に売れている。同商品の強みについて、広報担当者は「唯一無二の圧倒的ザクザク感を楽しめるお菓子であること」と回答。使用している2種のビスケットは食感に違いがあり、プレーンビスケットは粒状でややさっくりとした食感、ココアクッキーは堅めのザクザク感を楽しめる。2022年からはパッケージに「圧倒的ザクザク感」というコピーを記載。それまでは断面の写真で訴求していたが、文字でも食感をアピールすることで、特長を顧客に分かりやすく伝える狙いがある。

コミュニケーションツールとして同商品を訴求する取り組みも実施。2014年~2016年、2018年~2020年には「義理チョコショップ」を展開。限定商品の生ブラックサンダーや限定フレーバー商品も展開することで、バレンタインを盛り上げた。広報担当者は「東京駅で実施したことで、多くの人の目に留まるような企画になった」と手ごたえを語った。ほか、お土産需要に応えるため、地域限定商品も充実している。

広報担当者は「数あるおいしいお菓子がある中で、ブラックサンダーを手に取っていただく機会を増やせるように、SNSやプロモーションなどでお客様との接点を増やしていきたい」と話した。

全日本菓子協会によると、2023年のチョコレート市況は、新型コロナの5類移行による人流の活発化やインバウンド需要で回復傾向が見られた一方、カカオやカカオバター、砂糖などの原材料価格の高騰のほか、エネルギー、包材、輸送費の上昇が負担増なっている。生産数量は約24万トン(前年比0.2%減)で前年並みとなったが、価格改定が断続的に行われた結果、生産金額は約4150億円(前年比3.8%増)で前年超えとなった。

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