「アリバイ広報」ではなく「伝わる広報」を目指し、限られたリソースで最大の効果を目指す 「自治体広報の仕事とキャリア」リレー連載(羽曳野市 辻村真輝さん)

Q3:ご自身が大事にしている「自治体広報における実践の哲学」をお聞かせください。

ただひと言「わかりやすく!」です。

ひと昔前の広報は、情報を余すことなく全て書き込み、役所側の「ここに書いてお知らせしました」という、いわゆる「アリバイ広報」が主流でした。広報誌を開いてみても文字、文字、文字の全く読む気になれない、そんな誌面づくりが多かったと思います。そんなことではダメだと、先進的な自治体では「伝わる広報」を目的に誌面改革などが進められてきています。

本市では、大々的な改革はまだまだ進んではいませんが、私が実践した事例をひとつ挙げると、消費生活センター業務の担当になった時のことですが、年に1度だけセンターの業務について広報誌に大きく掲載してもらえる機会があり、前年の記事を見ると数点のイラストがあるだけで、あとはほぼ文字だらけの状態でした。「これはなんとかしなければ!」という思いですぐに取り組み、そこで、事例を四コマ漫画風に紹介するのはどうだろうか?と考えました。広報担当に相談したところ、「誰がその漫画書くんですか?」と一蹴されてしまいましたが、「だったら写真で!」ということで、私と当時の担当者が出演してページを作成しました。

これがとても反響が大きく、「初めて消費生活センターがあるのを知った」というようなお声もいただきました。調子にのった私は、翌年にはカラー版を、そして最後には台本も書き、動画版まで作ってしまいました。もちろん全てに出演しました(笑)。

このように、どうしたらわかりやすく「伝わる」のか。そのことを最重要ポイントとして考えながら、今もいろいろな工夫を行うようにしています。


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