競合プレゼンを勝利に導いた1枚のシートの力

クイックスタートシートで得た納得の勝利

――鈴木航さんは、実際に本書や講演会の内容をどのように役立てられていると感じますか。

鈴木航:まずは、「競合プレゼンクイックスタートシート」(書籍の付録)をしっかり使うことを意識しています。

実は、講演会後すぐに競合プレゼンがあり、プレゼン当日まで1週間というタイミングでメディアプランニングチームに話が来たのですが、あまりにも時間がなかったので、とにかくクイックスタートシートを使ってみることにしたんです。

写真 誌面 『競合プレゼンの教科書 勝つ環境を整えるメソッド100』
競合プレゼンクイックスタートシート。書籍からフォーマットをダウンロードできる。

営業の方にシートを書いてもらうと、「勝ち筋」の欄が埋まっていない状態だったのですが、営業やクリエイティブの担当者とコアアイデアを出すミーティングをしていて気づいたのは、具体の話をする前にまず「勝ち筋」を考えることが一番大事なのではないかということ。それによってこのシートが完璧に埋まれば、自然とやるべきことも明確になると感じました。

実際に「勝ち筋」を書いてから具体を決めていったところ、初めて声をかけていただいた案件だったにもかかわらず、競合プレゼンで勝つことができました。まさに納得の勝利でしたし、今まではこのシートをきちんと埋められていなかったことが敗因の一つになっていたのだろうと思いました。この考え方が全体に広まっていけば、会社の財産になると感じています。

現在は、プレゼン後にもクイックスタートシートを用いて、振り返りを行っています。納得の勝利を収めることができた場合も勝因分析をしておくことで、その後の仕事や次回のプレゼンで意識すべき部分を明確にでき、営業の方とも話し合うことができるんです。

鈴木大輔:クイックスタートシートにそのような使い方があるとは、発見ですね。かけた時間や体力の分、負けたとしても何かしらを得なければならないと考えています。そのために必要なのは、やはり振り返り。シートをそのように使っていただけて、本当にありがたいですね。

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鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)
鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)

2006年ADK入社。競合プレゼンの存在すら知らなかった営業時代を経て、2010年より戦略プランナーとして大阪へ。一転して競合プレゼン三昧の3年間を過ごし、勝率5割を達成。ところが東京に戻ってからは、思うように勝てない日々が続く。業界3位の広告会社で苦しみながら戦い抜いた10年以上に及ぶ経験と、百を超える競合プレゼンで溜め込んだ知見を、競合に勝つための方法論として体系化。2023年、著書『競合プレゼンの教科書 勝つ環境を整えるメソッド100』を上梓。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。

鈴木大輔(FACT/戦略プランナー)

2006年ADK入社。競合プレゼンの存在すら知らなかった営業時代を経て、2010年より戦略プランナーとして大阪へ。一転して競合プレゼン三昧の3年間を過ごし、勝率5割を達成。ところが東京に戻ってからは、思うように勝てない日々が続く。業界3位の広告会社で苦しみながら戦い抜いた10年以上に及ぶ経験と、百を超える競合プレゼンで溜め込んだ知見を、競合に勝つための方法論として体系化。2023年、著書『競合プレゼンの教科書 勝つ環境を整えるメソッド100』を上梓。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。

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