味の素は3月、食事中に話し相手がいるにもかかわらずスマートフォンを操作してしまう行為を「飯スマホ」と名付け、「飯スマホやめ~い!ステッカー」を開発した。Z世代とのエンゲージメントをつくることを目指した企画で、若者言葉を交えた突っ込みやさまざまな系統のデザインが特徴。全部で54種あり、3月18日から7日間にわたり計3800枚ほどのステッカーをランダムに貼り付けたピールオフ広告を東京メトロ新宿駅に掲出した。

クリエイティブディレクター/アートディレクターを務めたADK マーケティング・ソリューションズの新村夏絵さんは「デジタルネイティブであっても“飯スマホ”を不快に思う人は多い、というインサイトを発見したのがきっかけです。Z 世代はスマホの裏にステッカーを貼ることでアイデンティティを表現する傾向があることから、今回の企画が実現しました」と話す。

デザインは、ゆるかわ、レトロ、コミック風、アメリカン、ネオンなど多様なテイストを取り入れ、文字のみや、キャラクター化などさまざまな種類を揃えた。サイズも大小ばらばらで「数枚を組み合わせて使うことを考えてごちゃ混ぜにしています」と説明する。イラストはLINE スタンプなどで人気のイラストレーター、いそのけいさん、nemuiasa さんに依頼した。
制作時には、Z 世代の感覚を掴むために当事者を交えてデザインの議論を重ねた。「今のZ 世代は型にはまらないのが特徴で、渋いモノクロなテイストが受けたり、平成・昭和に流行ったレトロなデザインが好かれたりもします。制作中も数カ月単位でトレンドが移り変わる可能性を考えながら、感覚をすり合わせていきました」。

ステッカーの文言もさまざま。「はよ食べな冷めるよ」「はにゃ?そのご飯は美味しいのかにゃ?」「スマホいじらんでクレメンス」「食事中にスマホいじる人なしですわごめん」など、若者言葉を中心に取り入れた。
「“飯スマホ”をしている人を責めずに、あくまでユーモアを交えて突っ込める内容にしました。実際にポスターから剥がしてスマホ裏に挟んでいるZ 世代がいたりと、狙い通りに響いたと思います。若者のスマホ裏が広告媒体のような働きをして、今後さらにステッカーが周知されることも期待しています」(新村さん)。

<スタッフリスト>
- 企画制作
- ADKマーケティング・ソリューションズ+n+n+ADKクリエイティブ・ワン
- ECD
- 藤井徹
- CD
- 新村夏絵
- 企画
- 足立昌彌、増田結音
- C
- 三宅幸代
- AD
- 新村夏絵
- D+I
- 小汀侑子
- I
- 田中沙歩、いそのけい、nemuiasa
- Webディレクター
- 森田将之
- CPr
- 山田英人、林良樹
- Pr
- 榎田泰雄
- 撮影
- 吉田明広
- レタッチ
- 岩沢美鶴
- ST
- 林田淳也
- HM
- URI
- フードST
- 中澤裕子
- CAS
- 押見修
- PRプランナー
- 砂川大、一寸木知佳(インフルエンサー)
- AE
- 矢萩康一、森本浩司、渡辺禎子
- 印刷
- セントラルプロフィックス、トーン・アップ
- 出演
- 古川愛子、小畑依音、祐楽、山谷幸仁
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