「Fビレッジ」は、なぜ人を惹きつけるのか? ファイターズ・前沢賢常務取締役から学ぶ、新時代のスポーツとマーケティング

「選手・監督・コーチ」と共に創るボールパーク「基本、できないとは言わない」と決めている

――札幌ドームからエスコンフィールドに球場が変わって、北海道日本ハムファイターズの選手たちの気持ちや士気に変化はありましたか。

前沢:選手全員と話す機会はありませんが、あるみたいですよ。選手会があるので、選手会長の松本剛選手に聞くことが多いです。また、コーチに聞くこともありますが、皆「良い球場だ」と言ってくれるので、その点においてエスコンフィールドはプラスになっていると思います。

――昨シーズン終了後、新庄監督の要望でエスコンフィールドの内野の芝生を変更しましたね。前沢さんの球場に対するこだわりもあると思います。要望とこだわりの折り合いのつけ方のお話をお聞きしたいです。

前沢:もちろんこだわりはありますが私だけではなく、チームのフロントの人たちとも話し合ってエスコンフィールドをつくりました。監督とはいえ、新庄さんが言うこと全てに対応できるわけではありませんが最初からNOではなく、新庄さんの考え、その意図をしっかりと聞き、できる手立てがないかを模索し向き合うべきであると思っています。

なので、どんな注文であってもまずは、一度「わかりました、少し考えてみます」と言い、必ず持ち帰ります。たとえ実現が難しいことであっても、そこから何かが生まれる可能性があると思うからです。そして、「こういう理由で、新庄さん、やっぱりできないけれど、こういうやり方だったらできるので、これでいいですか」と聞く時もあり、新庄さんは「それでもいいよ」と言ってくれることがあります。

――できなかったことはあるのですか。

前沢:ほとんどないです。基本、新庄さんがやりたいって言ったことは、大体やってきました。今は不可能ですが、何年後かに実現できることもあります。

学生記者の石崎正文さん
今回のインタビューを企画した、学生記者の石崎正文さん(写真右)。


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