① Howよりも、WhoとWhat
うまく話そうとするから緊張する。
いきなり、How = 技術や見え方を鍛えようとするのが一番無理ゲーで、それまで鍛錬もしなかった人間が、いきなり流暢に闊達に話せるようになるわけはないのだ。大根役者が名俳優になるのと同じ類の難易度である。
実は、マーケティングと同じだ。
Howの前にWhoとWhat、誰に何を言うと一番響くのか?ということをきっちりと絞り込む。これだけでいい。
Whoとは
Whoの定義は簡単。目の前にいるプレゼン相手だ。きみは、プレゼン相手のことをどれくらい知っているか?
プレゼン相手が経営者やCMOであることも多いので、Webにだいたいインタビュー記事が掲載されている。会社のミッションやトップメッセージも読む。どの事業がどのくらいの割合の売り上げかを調べる。すると、相手が何を考えているか、何をしてほしいかが分かってくる。
経営者にとって、広告宣伝費というのは事業の中で大変悩ましい流動費だ。できればゼロに近い方が望ましいが、なければサービスは売れない。なので、まず「大事なお金を払っただけの効果がありそうか」を求めているのであって、きみのプレゼンが軽妙で面白くあるかどうかは、本質的には関係ない。
さらには、広告が面白いかどうかも、効果には直接的には関係がない。
しかし、つまらない広告を打ちたいクライアントもいないので、面白いことは最低限の条件。そのうえで、どれだけ効果を出せるかにこだわると、相手と同じ目線になる。
できれば、部分的に相手に憑依できるくらいが望ましい。
当たり前だが自分の意図が、相手の意図と100%一致したら、すべてのプレゼンは通る。
しかし、「あたしはあなたにはなれない」とaikoも歌っているように、生き方も考え方も違うので、部分的にシンクロ率を上げていくのである。相手の思いを理解する。
先方からのオリエンテーションを営業に任せず、自分で直接インタビューしよう。なるたけリモートではなく、直接会おう。憑依のヒントがたくさんあるからだ。
よく、営業が先に聞いてきちゃって、直接聞くタイミングがないというケースがあるが、無理して再度場を作ってもらった方がいい。
オリエン資料を読んでも憑依できない。
「迂闊型」のコミュニケーションは、できるだけ自分で動く。他人を信頼しつつも、すべてを任せない。受け身にならない。しゃしゃり出て、ガワになって、顔になって、主体者の一員になること。
相手の意図を深く理解できているか?憑依できているか?
Whatとは
では、Whatとはいったい何なのか?