独学で入賞、就職活動も前向きに
今回、サントリー食品インターナショナルの課題で学生部門賞を受賞した又吉光さん(応募時、琉球大学国際地域創造学部4年生)。計3作品を応募して学生部門賞のほか、協賛企業賞の受賞とファイナリスト入賞という快挙を成し遂げた。参加は第10回に続き2回目で、前回も2作品を応募してそれぞれ学生部門賞受賞とファイナリスト入賞を果たしている。
映像制作は全て独学。広告制作の職種を志望し、実績をつくろうと1年休学し、広告関連のさまざまな賞に挑戦したのが初応募のきっかけだった。「前回のBOVA で入賞したことが自信になり、今回はより積極的に取り組めました」と振り返る。
制作した動画は、C.C.レモンのパッケージを想起させる、黄色と深緑色を基調としたアニメーション。制服を着た青年が登場し、一定のリズムで「おいおい~」と合いの手を入れていく。合いの手と共に「テストの点が悪い」「目の前で信号が赤に」「靴の裏に汚れがついた」など、思わず「おいおい~」と言ってしまうような出来事が展開されていく。
突如現れた謎の青年にC.C.レモンを渡されて飲んでみると、今度は「おいおい~」のリズムと共においしさに感動。終盤には、C.C.レモンを片手に「ヤなことあっても一緒に飲もうぜ!」と歌い上げ、「おいおい~な一日を、おいC.
おいC. 一日へ。」と軽快に締めくくる。
制作は、課題発表があった2023年11月から開始。「当初は15社全部応募しようと意気込んでいましたが、卒論執筆やプライベートの活動などに追われ、3社に絞り込みました」と話す。企業研究を重ね、1社あたり4日ほどかけて脚本を練り上げた。音楽と映像は約4日間で制作し、全ての作品が完成したのは年末。「1人で制作していることもあり、コンテは多少粗くても大まかなものにして、どんどん進めました」。
動画はラップを基調とした音楽が特徴だ。前回の審査員総評で「コピーが弱い」という指摘があったことを踏まえ、今回は話の流れよりもコピーを軸にした。合わせて音楽は、「C」を裏拍にはさんで「おいC.おいC.」となるリズミカルなラップに。高校生の頃の実体験や友人の話をもとにネタを組み込んでいった。
ダブル受賞となり、喜びもひとしお。「独学でやってきたものを評価していただけてうれしい。自分みたいに専門的に学んでいなくても、チャンスはあると感じました」。3月には大学を卒業し、春からは総合人材サービス業の会社にインハウス映像ディレクターとして入社。
自社が運営するYouTubeチャンネルの動画や、広告・SNS用動画などを制作している。「これまでの実績に背中を押されて、就職活動にも前向きに取り組めました。BOVAは学んだことをぶつける絶好の機会でした」(又吉さん)。
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