「世の中が知りたいこと」起点で発信し社会との架け橋に 立命館大学のオウンドメディア

無関心層や受動的な関心層とのタッチポイントの創出を目指す、立命館大学のオウンドメディア。社会との接点として機能させ、大学内外から「大学らしくない」「読み物として面白い」という声も寄せられています。
※本記事は、広報会議2024年6月号(発売中)特集「オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」から一部転載した内容です。

スクリーンショット webサイト shiRUto

「shiRUto」DATA

URL
https://shiruto.jp/
開設日
2018年11月1日
担当部署
総合企画部広報課の2名
制作体制
広報課と外部制作会社の計5名で取材・執筆・編集を行う
更新頻度
新規記事を週1本公開
総記事数
約450本
PV数
約10万PV/月
CMS
WordPress
効果測定(評価の方法含む)
サイトのPV数、記事ごとのPV数や自然検索数、あらかじめ想定したキーワードでの検索数・検索表示順位を月次・年次で測定

立命館大学は、大学と社会との架け橋となるオウンドメディア「shiRUto」(以下、「シルト」)を運営している。立命館や大学そのものと接点がない無関心層・受動的な関心層とのタッチポイントを創出できるメディアを目指している。

イノベーションの種まき

シルトを立ち上げたのは2018年。HPやSNSなどに加え、オウンドメディアをはじめる大学が増えていたタイミングだった。シルトの運営を担う、立命館大学 総合企画部広報課長の立岩健一氏は「『シルト』で接点ができた人とともに将来的にはイノベーションにつながる取り組みができればと考えました。そのための種まきの意味合いが強いと言えます」と説明する。

ターゲットは、一般のビジネスパーソン。中でも情報感度が高く、面白いと思ったことは周囲に拡散するような人物を想定する。「シルト」のコンセプトは、「大学と社会をつなげる新しいコミュニケーション」。ビジネスやグローバル、スポーツ、カルチャーといったターゲット層が抱く興味関心の起点に、大学の教育や研究などの“知”を発信している。

中でも「シルト」の特徴は、「立命館大学」の名前をあえて前面に出していないこと。大学名を冠したオウンドメディアも少なくない中、リスクを承知の上でチャレンジングな手法を選んだ。実際、サイトや記事にアクセスしても、同大学が運営していることが一目では認識できないデザインとなっている。

その狙いを立岩氏は「コンテンツで興味を持ってもらった後で、立命館が運営していたものだと気付くことで、先入観の少ない状態で見てもらいたいため」と語る。またその背景には、立命館が「学園ビジョンR2030」で掲げるビジョンワード「挑戦をもっと自由に」がある。新しいことや大学らしくない施策も果敢に取り組もうという文化が広報にも根付いているのだ。


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