日本の風物詩を守る取り組みが共感を呼ぶ
キリンビールが17年ぶりに新発売したスタンダードビールの新ブランド「キリンビール 晴れ風」が想定以上に売れている。4月2日の発売後、約1カ月で同社が過去15年間に発売した100種類以上のビール類新商品で最大の販売数量を達成。年間目標の4割を超える200万ケースを突破した。
5月に横浜工場での製造を開始するなど増産体制を強化しており、現在は7工場で製造を行っている。味わいだけでなく、花見や花火などの日本の風物詩を保全する寄付活動「晴れ風ACTION」が話題を呼んだことも売上増につながったとみており、「X」ではハッシュタグのカウントで約280万の発話が生まれた。
「晴れ風ACTION」は売上の一部を自治体に寄付することで花見や花火大会といった日本の文化を守る取り組みだ。日本のビールは単なるアルコール飲料ではなく、日本の風物詩と一緒に親しまれてきた。一方、少子高齢化や気候変動の影響で、これらの風物詩の維持が危ぶまれている地域も多く、花火大会は自治体の財政難などの要因で中止が相次いでいる。