プライベートブランドの夏対策商品で節電ニーズにも対応
今年の夏は猛暑日が増えるという予想から、イオンのプライベートブランド「HÓME CÓORDY(ホームコーディ)」は例年より2カ月前倒しで夏物コーナーを展開している。重点商品のハンディファンは3月上旬から消費喚起を図ったところ、売上は前年比約5倍と大きく伸長。室外機カバーも同3倍となったほか、扇風機も同1.5倍以上の売れ行きで推移している。5月15日には、部屋の冷暖房効率を高めるのに役立つ「ホームコーディ DCサーキュレーター」を発売した。
昨年は過去最高の猛暑だったことや、気温が高い期間が長期化していることから、本格的な暑さになる前に訴求を開始することが売上拡大につながると判断。暑さ対策商品の購入場所としてイオンの店舗を想起してもらう狙いだ。顧客の動きも早く、4月以降は週を追うごとに販売が伸びているという。
売り場の工夫について広報担当者は「なるべく大きな塊で集合展開している」と話し、店舗によっては、猛暑対策や節電関連の商品を集約した「涼色スタイル」を展開。食品売り場などの顧客の通行が多い場所でも、ネックリングや日焼け止め、日傘などの関連商品を展開するといった多ヵ所展開も奏功している。
2024年モデルのハンディファンは、カラビナ付き冷却プレートを搭載。身体に当てることで部分的に涼感を味わうことができる。充電時に使いやすいtype-Cジャックを搭載しているほか、本体重量120グラムと軽量で持ち運びやすい点も強み。6色の豊富なカラーバリエーションで若年層女性に人気で、前年比4倍の販売数を目指すとしている。価格は税込1628円。
ほか、室外機の上に置くことで冷却効率が高まり、節電にもつながる「エアコン室外機遮熱カバー」も好調。飛散防止ひもを付属しており、万一の強風時にも飛ばされにくい仕様となっている。レギュラーサイズの価格は税込1078円。前年比3倍の販売数を目標に掲げる。
新発売したDCサーキュレーターは、省エネ・静音設計かつ、上下左右に送風ができる。冷暖房効率を高めるだけでなく、部屋干し用としても使用可能。定番色のホワイトのほか、インテリアに馴染みやすいベージュとブラウンの3色で展開している。価格は税込6578円。
「ホームコーディ」は2017年に立ち上げたPBブランドで、今年7年目を迎える。イオン全体の客層でもある40代以上の女性をメインに徐々に認知度が高まっている。シンプルな設計の「価格訴求型」と消費者ニーズをくみ取った「付加価値型」の2軸で商品開発を行っている点が特長。特に強みとしているのは寝具やテーブルウェアカテゴリーで、寝具では疲労回復や快眠促進商品を強化。夏場は夜でも涼しく睡眠がとれる寝具として「ホームコーディコールド」シリーズも多数展開している。現在のホームコーディ全商品は住居関連売り場の約50%を占めており、今後さらに構成比を上げていく予定だ。
夏商戦本番の戦略について、広報担当者は「売り込む商品を明確にし、昨年以上の在庫をしっかりと持って多ヵ所展開にて訴求することでお客さまニーズに対応していく」と話した。