NYでONIGIRI大人気!憧れこそが購買促進、日本の常識を切り離すことが必要な理由

先週末にブルックリンで開催された、ストリートファッションマガジン『Hypebeast』主催のイベント「Hypebeast Flea」でも、フードベンダーでONIGIRIが販売されていた。ストリートフェアのような“みんなの露天”とは違い、ブルックリンという場所柄も手伝って、スタイリッシュで緩い雰囲気の人々が集まる大盛況の場。思い思いのオシャレをして集ってきた人々がONIGIRIを食べている姿を見ることができた。

写真 ストリートファッションマガジン『Hypebeast』主催のイベント「Hypebeast Flea」
Photo credit: Niena Etsuko Hino
@HypeBeast Flea
写真 ストリートファッションマガジン『Hypebeast』主催のイベント「Hypebeast Flea」
Photo credit: Niena Etsuko Hino
Mama Yoshi Mini Mart のONIGIRI @HypeBeast Flea

さて、このONIGIRIの価格だが、ストリートフェアで販売されているものは総じて6ドル以上。サイズは日本のコンビニで売られているおにぎりよりも一回り大きいか?という程度だが、露天で販売されているため、通常店舗での価格より割高。それでも、飛ぶように売れているのは驚きだ。

ここまで読んだ方は、「美味しいご飯を炊いて自分で作れば、もっと安く食べられるのでは?」と考えるかもしれない。実際、NYでのONIGIRIの話をしたところ、「うちでは、美味しいご飯を炊ける鍋があるんです!それを売れるのでは!」とおっしゃった企業があった。しかし、ニューヨークの非日本人消費者はONIGIRIを食べてみたいのであって、美味しいご飯が食べたいわけではない。ここが非常に大事。従って、自分で作ろうと思う人も当然ながら少ないだろう。この点を考慮すると、日本の常識をそのまま持ち込むのではなく、やはりアメリカそして、アメリカでもその都市毎の生活背景や文化、消費者のニーズをしっかり把握し、それに合わせたブランディングとマーケティングをすることが必須なのだ。
また、日本人は興味を持ったものを試し、自分で作ってみようとする傾向が強いが、アメリカ人はそうではない。だからこそ彼らは、作られたものや提供されるサービスに対価を支払う訳だ。当たり前の基準に存在するこの違いも踏まえ、ビジネスに活かせるかどうかが上手くいくかどうかの分かれ道だ。

ONIGIRIがニューヨークでここまで注目を集め、クールな人たちが立ち食いする姿がある。ニューヨークでのONIGIRIの進化がどのようになっていくのか楽しみだ。

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日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)
日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

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