クラウド型人事労務システムを提供するjinjerは、企業の人事・総務担当者363名を対象に「人的資本情報の開示状況に関する実態」に関する調査を実施した。調査期間は2024年4月23日~24日。本調査では、日本企業における人的資本情報開示の現状と課題を明らかにすることを目的に、各企業の人的資本情報の開示方法や重視している情報について聞いている。
測定・開示に取り組んでいる企業は40%弱
「人的資本の測定・開示に取り組んでいるか否か」についての質問では、「取り組んでいる」と答えた企業が36.9%、「取り組むために準備をしている」が14.6%、「取り組むことを検討している」11.8%であった。逆に「取り組む予定がない」という回答は17.1%という結果となった。
また、人的資本の情報開示状況の詳細については、「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示のみ実施している」が26.1%と最も多い回答となった。次いで「指標の目標設定はあり、一般的指標の開示に加えて独自指標の開示を実施している」(22.2%)、「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示に加えて独自指標の開示を実施している」(20.4%)となり、約40%の企業が一般的指標に加えて、独自指標の開示にも取り組んでいることが分かった。
測定・開示の目的で最多は「従業員の離職防止・定着」
人的資本の測定・開示の目的については、最多回答は「従業員の離職防止・定着の観点から」(66.5%)であり、「新規人材の採用のため」(51.3%)、「開示が義務化されているから」(36.5%)、「経営戦略の実現のための人材戦略のため」(33.0%)と続いた。
また、人的資本の開示・測定にあたってベンチマークしている標準規格については、「人的資本可視化指針」(48.3%)が最多、次いで「ISO30414」(46.1%)、「SASBスタンダード」(32.6%)という結果になった。
具体的にデータ化している人的資本の指標については、1位「残業時間」(64.3%)、2位「有給取得率」(59.6%)、3位「育休取得率」(57.8%)と、勤怠にかかわる情報が最も多い結果となった。
Jinjerの公式ブログでは、より詳細の調査結果も掲載している。