2023年8月に30周年を迎えた、オンワード樫山の女性向けブランド「23区」。24年3月には、周年を記念したプロモーションの第二弾としてブランドのコンセプト「Japanese Women’s Standard」を表現したテレビCMが公開された。キャンペーンを担当したクリエイターたちの企画制作の流れを追った。
※本記事はブレーン6月号「『広告』多様化の時代 クリエイターの仕事と役割はどう変わる?」に掲載している内容から転載しています。詳細・ご予約は《こちら》。※Amazonページに移行します。
CPrとPr、2人のプロデューサー
2023年8月に30周年を迎えた際に公開されたのは、「30th SPECIAL FASHIONSHOW PARIS TO TOKYO」と題されたWebムービー。パリのエッフェル塔や東京タワーなどを舞台に「23区」の服を着た杏が登場する、ファッションショーさながらの映像で、10月には同シリーズのテレビCMも放映された。今回はその好評を受け、オンワード樫山から「前回との対比として、より情緒的な世界観のテレビCMを制作してほしい」と依頼があった。
オンワード樫山と博報堂Gravityは元々グラフィック広告やメディアプロモーションなどで協業しており、その流れから今回の映像広告の依頼も来たのだという。
クリエイティブディレクターである竹島翔平さんは、クライアントや営業担当(AE)から話を受け、「今回は『Japanese Women’s Standard』というブランドコンセプトをきちんと表現するために、所作の美しさに着目したムービーをつくろうと方向性を定めました」と話す。
竹島さんはクライアントに企画を提案する前の段階から、懇意にしている東北新社のプロデューサー 山岡元輝さんに声をかけていた。山岡さんには、提案にあたって実際に実現可能な企画か、どんなロケ地の可能性がありそうか、どんなコンテがよさそうかといった、「フィジビリティ」と「企画の可能性を広げる」の観点から相談。
山岡さんは自身の役割を「企画と予算を踏まえて、その中でどんなことができそうか解像度を高める役割です。企画が決定する前から(広告会社に)お声がけいただけると、より実現可能性の高い案や、企画の目的に沿ったほかの選択肢もご提案できるので、こうした仕事はありがたいですね」と話す。
一方、制作会社(東北新社)内のプロデューサーである山岡さんのほかに、広告会社(博報堂Gravity)内のクリエイティブチームを担当するプロデューサー(CPr)として根本高広さんもメンバーとなっている。クリエイティブチームと外部の関係者との窓口を担っており、社内の営業やクライアント、制作会社、タレント事務所などとの橋渡しをし、企画実現に向けて全体を推進していく役目だ。
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