※本記事は、月刊『宣伝会議』7月号 の巻頭特集に掲載されています。
―旅行が好きになったきっかけは何だったのでしょうか。
旅行が好きになったきっかけは、高校1年生の夏休み、ひとりでイギリスに短期留学したことです。それまでの家族旅行と違って、長期滞在をしてみると、スーパーマーケットでどんなものが売られているか、テレビではどんな番組が放送されているのか?どんな広告があるのか?学生の休み時間の過ごし方は?と細かいことに興味が湧き、観察するようになりました。
その滞在を機に、現地にある“暮らし”を見つめる、観光地だけじゃない旅行にハマっていきました。私自身、もともと、すごく飽きっぽくてひとつの場所にとどまれない落ち着きのない性格で…。知らないもの・あたらしいものに触れる時間が大好きで、そんな時間を日々大切にしています。旅行のときは、次の2つを特に意識しています。
ひとつめは、現地の「いつも」に触れること。有名なお店も行きたいですが、あえて現地の方がいつも行くレストランやスーパーマーケット、学校や図書館に行きます。ほかにもバスに乗っている子どもたちの会話に耳を澄ませたり、ホテルでテレビを見てみたり。自分が日本で過ごすように、その場所の日常に馴染んで帰ることを目標にしています。長旅の場合は、ホテルとホテルの間に民泊を挟んで、自炊したり…。発見が多く、いつまでもじんわり覚えておける旅になります。
「デザインホテル、歴史あるクラシックホテル、旅においてどんなホテルに泊まるかは自分の中でも最重要事項なのですが、長旅の場合は、ホテルとホテルの間に民泊を挟んだりします。近所のスーパーで気になる食材を買ってキッチンをお借りして簡単な朝ご飯を準備。この写真はミュンヘンのお宅。一人暮らしのおじいさんのキッチンには大量のスパイスが。カレー作りが趣味みたいです」(杉井氏)。
2つ目は、現地の方と会話をすることです。観光客向けではない現地の方が多いお店に行くと自然と友だちができたりするので、そこで仕事の話をしたり、好きなテレビの話を聞いたり、その場でしか生まれないおしゃべりを大切にしています。ネットの記事・動画で世界をなんでも体験できるようになったいま、異国の飲み屋で聞くどうでもいい話や、友達の家のソファで話したことに思わぬ発見や面白さがあったりすると思います。
帰国してからも、あの人だったらどうするだろうと、そこで出会った人々に思いを馳せています。旅に出ると、創造力だけでなく、想像力も豊かになります。人を知れば知るほど、企画の幅も広がると信じています。
―プライベートの時間が、自身の仕事に生きていると感じますか。
はい、とっても。仕事とプライベートは地続きだと思っています。異国の友だちから聞いた言葉からコピーを考えたり、あのときのホテルみたいな部屋で会話劇をやったら面白いかなとCMを企画したり。これまでの旅の記憶から企画することがよくあります。
…続きは、月刊『宣伝会議』7月号 でお読みいただけます。
月刊『宣伝会議』2024年7月号
【巻頭特集】
センスも発想力も、日々の努力で磨かれる!
マーケター脳を鍛える!トレーニング指南
・スキル①「数字」に強くなる/山下吐夢
・スキル②「デジマ脳」になる/青山友樹
・スキル③「フレームワーク」を使いこなす/北村陽一郎
・スキル④「プロジェクトマネジメント力」を鍛える/冨田良介
・スキル⑤「EQ力」を高める/加来勝正
・「生活者トレンド」を体得する①~③
並河進/澤裕貴子・土屋映子/モメンタム ジャパン
・自分に合った、生き方・暮らし方を見つけよう①
志伯健太郎/銭谷侑
・センスを磨く! プライベートの過ごし方
杉井すみれ
・米国最大規模のマーケティング特化型カンファレンス
「POSSIBLE2024」で語られた米国マーケターの関心事
森直樹
・ミレニアル世代攻略と次世代マーケター育成
AmexのCMOに聞く、マーケターの役割
エリザベス・ルトリッジ
・あのマーケターが実践!34名に聞いた、
「マーケティングの筋力」を鍛える、私のトレーニング