コロナ禍明け初のGWイベントが奏功
日本百貨店協会によると、2024年4月の全国百貨店の売上高は約4441億円(前年同月比8.9%増)で、26カ月連続で伸長している。コロナ禍前の2019年比でも2%増で、円安によるインバウンド効果などが追い風。花見客の増加もあり、インバウンドは同184.3%増の599億円と過去最高を更新した。商品ではラグジュアリーブランドを中心に高付加価値商材がけん引したほか、月後半の気温上昇で初夏アイテムが好調に推移。新型コロナ5類移行後初となるGWで催事を積極展開したことなどが寄与し、入店客数も増加傾向だった。
主要5品目(衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品、食料品)のうち4品目で前年を上回った。特に身のまわり品と雑貨は2ケタ増で、2019年比も超えた。一方、食料品は、生鮮食料品の価格上昇の影響などから前年実績には届かなかったものの、弁当や惣菜は、花見需要もあり堅調に推移。ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾など高額商材や化粧品は引き続き国内外共に好調だった。
最も大きく伸長したのは身のまわり品(同23.3%増)。次点は雑貨(同15%増)で、「美術・宝飾・貴金属」(同20.3%増)がけん引したほか、化粧品(同14.6%増)も好調だった。前年割れした食料品(同1.3%減)は生鮮食品(同2.3%減)が不調だったが、総菜(同0.3%増)は伸長した。
インバウンドは25カ月連続で伸長しており、2019年比でも同74.4%増と大幅に伸長。購買客数も50.6万人で初めて50万人超えた。一方で国内市場は同0.7%減、2019年比では同4.2%減と回復途上だ。
地区別でもインバウンドが好調な10都市のうち、8地区(札幌、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡)が前年実績を上回った。最も伸長したのは大阪(同23.3%増)で、京都(同19.7%増)、福岡(同17.7%増)、東京(同10.8%増)が続いた。一方、広島(同13.8%減)、仙台(同3.1減)は前年を下回った。地方(東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)では、5地区(東北、関東、中国、四国、九州)が前年割れとなり、4カ月ぶりにマイナスに転じた。