例えば「グランドプリンスホテル高輪」は、宮家の竹田宮邸として使われていた土地・建物を活かし、現在は「貴賓館」として営業しています。また「東京ガーデンテラス紀尾井町」に隣接する「赤坂プリンス・クラシックハウス」は、「旧李王家東京邸」として使われていた由緒正しき場所で、「貴賓館」同様に現在も営業しています。
(写真は順に)グランドプリンスホテル高輪 貴賓館、赤坂プリンス・クラシックハウス
機能的価値ではなく、「歴史ある場所に身を置いて過去にタイムスリップし、心豊かになれる」という価値を伝えていくPR手法へと軌道修正しました。
また、リゾートで得意としていた季節感も上手く活用しました。例えば、人であふれる公園でワイワイお花見を楽しむのもいいですが、ホテルで少し贅沢をして、風情を感じる訴求を展開しました。
「ホテルに宿泊をしなくても、食事やお茶を楽しむだけで充足感に満たされる」――世の中をそんな空気感に変えられたかというと、必ずしもそうではありませんが、外部環境が変化したときに広報戦略を軌道修正していくことで、現状を打開できることを身にもって体得しました。
源田選手がライオンズの“美肌代表”に
若い女性ファン向け施策「ライオンズ獅子女デー」では、ブランドとコラボレーションしたユニフォームを配布する試みも(2023年5月)。イベントの様子は、記事「『私を野球に連れてって♡』。イチ推しは『ベルーナドーム』! 」にて。
話を野球に戻します。前回述べたとおり、ライオンズファンは、私と同世代の40代がボリュームゾーンです。一方、他球団に目を向ければ、オリックス・バファローズは、選手をアイドルに見立ててプロモーションし、多くの「オリ姫」と呼ばれる若い女性から支持を得ていました。
また、日本ハムファイターズは「きつねダンス」が空前の大ブームで、子どもたちは野球は知らなくても「きつねダンス」は知っており、ライオンズと他球団とのギャップを感じました。
また野球選手というのは非常に体が大きく、たとえば多くの選手が金のネックレスをしていて……といった固定的な印象を私自身、持っていました。
しかし、ビジター試合に帯同し、選手の近くで長い時間を過ごしていると、会話の量も増え、それぞれの選手の個性も分かるようになりました。そんなとき、ライオンズの選手はみんな肌がキレイで、かつ非常におしゃれに気を配っているということに気が付きました。