美肌の選手が美容メディアに登場、西武ライオンズの「戦略PR」の話

ユニフォームを着たONの顔はもちろんのこと、OFFの顔も魅力的であることがわかったのです。周囲を見渡せばテレビに出ているようなタレントの方々に限らず、一般の社会人の間でもメンズメイクが定着しつつあることも気になっていました。

前回述べた通り「シン・広報戦略」のひとつは「今いない潜在的なファン」に対してのアプローチしていくというものでしたが、オリックスや日本ハムの事例と、トレンドを鑑み「美容×プロ野球選手」というストーリーがひとつの切り口になると考えました。

しかし、「日焼けしているほうが格好いい」という時代で育ってきた私は、美容系には疎く、ましてや美容媒体とのリレーションはほぼ皆無でした。そんな矢先、男性の若手広報部員が「赤坂さん、『美的』(小学館)のアポが取れたので行ってきます」と言って、企画を売り込みに行ってくれました。

数日後、その部員から興奮気味に「『美的』いけそうです!『獅子女デー』(ブランドとコラボした若い女性向けの企画)に、編集部の方にも来てもらいます」と報告がありました。

この時、プリンスホテル時代に体得した「戦略PR」に少し似ているという印象を持ちました。スポーツの世界は勝敗がはっきりしている。勝てば高揚感に包まれ、負ければ意気消沈。負けが込んでくれば、観客動員数や消費単価にも影響します。

強さこそ最大のファンサービスであることは変わりないですが、一方で勝敗に左右されないコンテンツもプロ野球経営をサステナブルに展開していくためには魅力的です。懸命に戦い、負けたとしても、選手の立ち姿やフォルム、真剣勝負を重ねてきた凛々しい表情を見せることで、充足感に包まれるファンの方もいる。こんな現象が今後起こるのではないかと思いました。

ここは勝負どころだと思い、看板選手の源田壮亮選手を『美的』編集部に提案し、オンラインサイトの「美的HEN」に掲載してもらいました。その後も広報担当の彼は編集部と良好な関係性を構築し、この企画以外でもライオンズを露出させてくれました。

取材の裏側をYouTubeでも公開した
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赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)
赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

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