生成AIでブランドもクリエイティブもコモディティになる(鈴木 健氏)

――この先の20年間において、どのような変化が起きるか、どのような変化を起こすべきかについて、下記からテーマをひとつ選び、そのように考えた背景について、教えてください

  • マーケティング: チャネル・流通・購買、消費・利用、および広告、メディアビジネス)
  • クリエイティブ: 商品・プロダクトなどのサービスデザイン、コミュニケーションにおけるクリエイティビティ
  • テクノロジー: マーテク、アドテクに限定せず、社会や個人の活動全体の可能性をひらき、生み出すもの
  • サステナビリティ: 狭義の環境問題に限定せず、社会や個人の活動全体を維持改善していくもの

クリエイティブ(商品・プロダクトなどのサービスデザイン、コミュニケーションにおけるクリエイティビティ)

英国の調査会社System1のオーランド・ウッド氏が指摘している通り、2000年からの20年間のマーケティングにおけるテクノロジーの発展が、クリエイティブの面では短期主義的で長期効果の低い広告を生み出してきたように、社会やテクノロジーの変化がそのままクリエイティブの方向性だけでなくマーケティング効果にも影響を与えます。

今後20年はこの傾向がさらに加速し、結果的にブランド価値の意義も問われるようになるだろうと思います。グローバル化によって商品はほとんど差のないコモディティになり、従来のようなブランドを育成するのが困難になると予想されます。

その状況でクリエイティブは有力な長期的資産となると言えますが、生成AIによりクリエイティブもコモディティになり、ブランドと同様に固有の意義が問われるはずです。その際にはクリエイティブとは、作り出すことよりも、伝えること、つまりオーディエンスをいかに構築し繋がるかがカギになるのではないでしょうか。


鈴木健さんのAdverTimes.コラム

マーケティング・ジャーニー ~ビジネスの成長のためにマーケターにイノベーションを~

消費者がブランドについて知り、関心を持ち、購買へといたるプロセスを旅に例えた「カスタマージャーニー」という言葉があります。消費者がブランドと接点を持ち、気持ちを変化させていくのと同様、マーケターも購買へと導かせるために、ビジネスのさまざまなシーンで自らの意識と役割を変化させなければいけません。特に、デジタルテクノロジーの進化は市場環境を変化させ、マーケターの役割を大きく変化させています。今後、生きていくマーケターは、デザイナー、データサイエンティスト、エンジニア、グロースハッカー…といったさまざまな名前で呼ばれようと、自身のビジネスの成長のためにその全てを取り込む覚悟が必要です。ビジネスにイノベーションが求められるように、マーケターにこそイノベーションが求められているのかもしれません。このコラム「マーケティング・ジャーニー」では、マーケターとしていま求められることについて幅広く考えていきます。

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