消費者庁は6月6日、口コミの高評価と引き換えに割り引きを行うことは景品表示法違反であるとして、医療法人祐真会が運営する「マチノマ大森内科クリニック」(東京・大田)に措置命令を出した。2022年10月に、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)が不当表示に指定されて以来、措置命令を出すのは初。
グーグルの地図サービス「Googleマップ」の口コミ投稿で高い評価を表す星マーク(★)4つ、もしくは5つを付けることと引き換えに、「マチノマ大森内科クリニック」に支払うインフルエンザワクチン接種料金を500円ほど割り引いていた。
同クリニックに寄せられた口コミ投稿の中には、「星を5つ付けることで割り引くと勧められた」旨を記入するユーザーもいた。6月7日時点で、星5つが付いている投稿は、全体の40%ほどで、220件を超えている。平均は3.0(個)。
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景表法第5条第3号では、事業者が第三者に投稿内容を指示しているにもかかわらず、一般消費者にとっては、その事業者が関与していることがわからない表示を禁じている。
グーグルも「Googleマップ」への口コミ投稿において、事業者側、利用者側双方に、「実体験に基づいていないコンテンツの投稿に対して報酬を支払う、またはそのような投稿を促す行為」や、「企業が割引、無料の商品やサービスと引き換えに投稿を促したコンテンツ」「場所の評価を操作するために複数のアカウントから投稿されたコンテンツ」を禁じている。