これからの時代は、テクノロジーにもっとクリエイティブが必要になる(佐々木康晴)

「AdverTimes.(アドバタイムズ/アドタイ)」は2024年6月に20周年を迎えました。2004年に新聞として創刊、2010年からオンラインがスタートし現在に至ります。
20周年の節目に際し、これまでのコラム執筆者の皆さんから寄せられた、それぞれの領域における「これまでの20年とこれからの20年」を紹介します。

佐々木 康晴氏

(電通グループ グローバル・チーフ・クリエーティブ・オフィサー/電通 統括執行役員)

――これまでの20年間で、ご自身のお仕事の領域や関心領域において、エポックメイキングだったと思われることはなんですか

ここは「AI」と答えたいところですが、他にもそう答える人が多いかもなので、2007〜2010年頃の「スマホの登場」を挙げたいと思います。人々が常時デジタル空間につながるようになり、ソーシャルメディアなどで発信ができるようになり、手のひらの上に「機能」を持てるようになった。それまでのマスメディアによる一方通行ではない、ユーザーが主体になり力を持つコミュニケーション時代が始まった。情報の流通方法だけでなく情報の価値観が変わった。これはクリエイティビティにとってかなり大きな変化であったと感じています。

――現在のご自身のお仕事の領域において、最も関心を寄せる/寄せられるべき課題は何だとお考えですか

最近、AI時代における「人間らしいクリエイティビティ」についていつも考えています。AIが何でもそこそこやってくれる時代において、人間にしかできないことは何なのか、という問い。間違ってはいけない面倒な仕事はAIにまかせて、僕らは人間臭くて、無駄っぽくて、しょーもないことに集中できる。そこに、これまで生まれる余裕がなかった、新しいクリエイティビティが生まれるはず。そして人間はそういう独自のクリエイティビティを発揮することで、AIの教師に徹するという時代も来るかもしれませんよね。楽しいことだけを考えてたまにAIに教えるだけで暮らせる時代…。来ないですかね…。


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