世界を舞台に生きていくのがあたりまえの時代がやって来る(太田英基)

「AdverTimes.(アドバタイムズ/アドタイ)」は2024年6月に20周年を迎えました。2004年に新聞として創刊、2010年からオンラインがスタートし現在に至ります。
20周年の節目に際し、これまでのコラム執筆者の皆さんから寄せられた、それぞれの領域における「これまでの20年とこれからの20年」を紹介します。

太田 英基 氏

スクールウィズ 代表取締役 兼 元サムライバックパッカー

――これまでの20年間で、ご自身のお仕事の領域や関心領域において、エポックメイキングだったと思われることはなんですか

私は現在、「留学」「英語教育」の領域で事業展開をしています。AIの台頭による教育のあり方の変化なども当然あるのですが、やはり、コロナによる世界的パンデミックは留学業界においては絶体絶命の危機そのものでした。海外渡航が物理的に不可能な状態に陥ったため、業界全体が氷河期に突入してしまいました。

留学業界においては最悪の一言でしかなかったコロナでしたが、唯一もたらしてくれた恩恵があります。それはリモートワークが一般化したことです。その影響により、アフターコロナでフリーランスやIT系の人たちが中心に、海外で留学しながら、仕事もリモートワークで行える時代に突入しました。コロナ前、社会人が留学するには基本会社をやめないと不可能でしたので、これは非常に大きなインパクトの種となりました。

――現在のご自身のお仕事の領域において、最も関心を寄せる/寄せられるべき課題は何だとお考えですか

欧米を中心としたインフレ/賃金上昇と、続く円安の影響により、20代の若者を中心に海外にワーキングホリデーなどで留学/短期移住する人が2022年頃から急増しています。オーストラリアが人気あるのですが、カフェで働く人の時給が3000円を超えたりと、日本で同じ仕事で働くひとの2~3倍の給与になるため、SNSなどで話題になりワーホリへ出稼ぎ目的で行く人が増えています。

もちろん、これは一時的なムーブメントと見る人もいます。しかし、円安が続いていく可能性が高い未来においては、20代の若者に限らず、子育て世代の意識も変革期にあります。我が子が生きていく未来を日本だけに留めてはいけないという意識が強まっているのを感じます。そのため、小学生~中高生のジュニア留学はもちろん、幼稚園児と親で一緒に留学する親子留学の需要が伸びてきています。いよいよ、日本人が本当の意味でグローバルの中で生きていくことを迫られている、そんなリアリティが近づいているのを感じます。気づいた人たちから、グローバル社会への準備運動をはじめています。

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