世界を舞台に生きていくのがあたりまえの時代がやって来る(太田英基)

――この先の20年間において、どのような変化が起きるか、どのような変化を起こすべきかについて、下記からテーマをひとつ選び、そのように考えた背景について、教えてください

  • マーケティング: チャネル・流通・購買、消費・利用、および広告、メディアビジネス)
  • クリエイティブ: 商品・プロダクトなどのサービスデザイン、コミュニケーションにおけるクリエイティビティ
  • テクノロジー: マーテク、アドテクに限定せず、社会や個人の活動全体の可能性をひらき、生み出すもの
  • サステナビリティ: 狭義の環境問題に限定せず、社会や個人の活動全体を維持改善していくもの

20年後にはいくつかのテクノロジーの掛け合わせによって、語学を体得するハードルは大きく下がるのと、すでに導入開始されはじめているデジタルノマドビザが世界的に一般化される影響などで、文字通り世界はボーダレス化が加速していく。

例えば、ヨガを学びたいと思った人の選択肢が、都心のヨガスクールで学ぶだけではなく、インドやバリ島などで学ぶことがあたりまえになるだろう。農業を学びたい人は北海道や九州で学ぶのではなく、オーストラリアで大規模農園を学んだり、キューバで有機農法を学ぶことがあたりまえになっているだろう。語学のハードルがなくなれば、「語学を学ぶ」から「語学で学ぶ」にシフトしていくのだ。

そして、生まれ育った自国のみで人生を終えるのではなく、世界を舞台に生きていくのがあたりまえになっていく世界が20年後には若者世代を中心に現実的になっているはずだ。

今も一部の富裕層が税制メリットなどを理由にシンガポールに移住していたりするように、その時代になると、引越しの感覚も「街選び」から「国選び」のスケールに変化していくであろう。社会保障、税金、治安、物価、賃金、教育環境、医療/介護環境、娯楽……などなど様々な係数から、引越しや転職活動のように住む国を移り変えていく時代はそう遠くはないと考えている。

そんな時代まで後20年。

まだまだ先だ、自分は日本国内でなんとか引きこもって逃げ切ってみせると思う人もいれば、この広大な世界をフィールドにして人生を楽しみ尽くそうと考える人もいる。

太田英基さんのAdverTimes.コラム

『若手起業家、世界一周へ』

コピー用紙の裏を広告メディアとして事業化した若手起業家が、新たな道に踏み出しました。仲間と共に立ち上げた会社を退職し、フィールドを世界に広げるための準備として9月に日本を飛び出し、約2年にわたる世界一周の旅へ。連載では旅の途中で会った、現地で働く日本人へのインタビューや、その地域の広告や消費などを題材に、等身大の目線からの「グローバル」を紹介します。(2012年夏に帰国し、連載は終了)

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