東京・銀座の資生堂ギャラリーで、資生堂のクリエイティブワークを紹介する展覧会「オドル ココロ」が始まった。
これは2023年に開催した「あいだ に あるもの ー1970年代の資生堂雑誌広告からー」に続く企画だ。今年は明治初期から2010年代までに同社が世に送り出してきた資生堂のクリエイティブワークのなかから、パッケージデザインと広告デザインに注目。特に時代感覚に呼応し、「ココロがオドル」クリエイティブを取り上げ、開発担当者やデザイナーたちの遊び心やチャレンジ精神が発揮された200点以上に及ぶ商品、並びに広告約70点を紹介する。
本展の大展示室では、明治初期から2010年代まで時代を8つに区切り、その時代に生まれた商品200点以上をクロニクルに展示。創業まもなく資生堂がいち早く西洋から取り入れたアール・ヌーボーやアール・デコのスタイルでデザインされた「香油 花椿」、1950年代からは当時珍しかった女性のイラストが描かれた粉白粉、1960年代からはベビーブームに合わせた甘く可愛らしい色合いのベビー用品の数々、レジャーブームに乗って生まれ太陽をシンボライズした黄色いパッケージの「サンオイル」や「ビューティーケイク」、1970年代からは、当時流行した宇宙服的ファッションに通ずる感覚が見て取れる「シュラルー」、女子大生ブームやDCブランドが流行した1980年からは若年層に向けたきのこやインク瓶などをかたどった容器に入ったミニサイズの「シャワーコロン」などが並ぶ。展示台の造形は、気鋭の建築コレクティブGROUPがデザインする。
そして小展示室では、ポスターを中心とした広告、約70点を映像インスタレーションとして展示する。中村誠をはじめとし、石岡瑛子、水野卓史、松永真、天野幾雄、仲條正義、澁谷克彦、平林奈緒美氏ら、資生堂の歴代のアートディレクターたち、そして秋山晶、小野田隆雄、犬山達四郎、土屋耕一、糸井重里氏らが関わった広告を見ることができる。この展示については、国内外のキャンペーンビデオなどで注目を集める新進クリエイター・長谷川大祐が制作する。
また、商品の開発に携わったクリエイターたちへのインタビューを音声ガイドとして用意。彼ら、彼女たちの肉声を通じて、ものづくりに対する作り手たちの情熱やチャレンジ精神を伝えていく。
会期は、8月4日まで。
「オドル ココロ」 資生堂のクリエイティブワーク
会期:開催中、8月4日(日)まで
会場:資生堂ギャラリー
開館時間:平日 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00
休館日:毎週月曜 (月曜日が休日にあたる場合も休館)
入場料:無料