米国留学から見えたこと 「人々の生活をよりよくする以外にビジネスの目的はない」(玉井博久)

「AdverTimes.(アドバタイムズ/アドタイ)」は2024年6月に20周年を迎えました。2004年に新聞として創刊、2010年からオンラインがスタートし現在に至ります。
20周年の節目に際し、これまでのコラム執筆者の皆さんにお聞きした、それぞれの領域における「これまでの20年とこれからの20年」を紹介します。

玉井博久

(学生 (江崎グリコ 休職中))

――これまでの20年間で、ご自身のお仕事の領域や関心領域において、エポックメイキングだったと思われることはなんですか

肩書きや財力に関係なく、その人が持つ熱量だけで、どれだけ周りの人を本気にさせてしまうことができるか。現在、休職して、バブソン大MBAでアントレプレナーシップを学んでいる。課題はグループワーク中心で、学生という同じ立場で国籍も年齢も常識も優先順位も違う人たちと成果を出さないといけない。全員が同じように力を入れるわけではない。消極的な人と同じチームになった時、私はある程度促してダメなら部下でもないので仕方ないとあきらめていた。

しかし55歳アメリカ人女性と同じチームになった時、非協力的な学生に真っ向から向き合って、その人に積極的な参加を促したのを目の当たりにし、自分には圧倒的にリーダーシップが欠けていると思い知らされた。

――現在のご自身のお仕事の領域において、最も関心を寄せる/寄せられるべき課題は何だとお考えですか

ビジネスシーンにおいて、今後人間は一体何をするのか。MBAのPythonの授業で教授が昨年の期末試験問題をChatGPTにコピペして、5秒ほどで全部の正解が出てくる様を私たちに見せて「すごいでしょ!」と大興奮。AIは今やちょっとした経営戦略の立案やカウンセリングまでできる。

しかしユーザが何かを入力しなければChatGPTは答えてくれない。一方、先のアメリカ人女性は、彼女自ら消極的な学生に働きかけて、本気にさせた。自らの働きかけで周りが自然と本気になってしまうにはどんな訓練ができるか。私はまずこの夏休みを利用してハーバードビジネススクールのエグゼクティブ教育プログラムでリーダーシップを学ぶことにした。


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