常にお客さまに何ができるか 鋭い観察力が役立つ
─社内の接客研修では、講師の経験もあると聞きました。
社内では、スタッフの育成やサービス向上を目的に、「リッチモンドアカデミー」という接客接遇の研修を行っています。私も何度かインストラクターとして参加し、リッチモンドホテルが目指す接客サービスのスタンダードを、参加者に伝えてきました。
インストラクターとして、何よりも大事にしていたことは、参加者全員で「お客さまに“何ができるか”を考える」ことです。
接客を机上の理論で終わらせず、明日から実践できる再現性の高いものにするためには、一人ひとりがアイデアを出し合い、気づきを生むことが必要です。研修でもそんな議論が活発になるような内容を意識していましたね。
─接客時に大事にしていることはありますか。
インストラクターとして大事にしていたことにも重なりますが、接客には「観察・想像・提案」の3つのスキルが非常に重要になると思っています。
例えば、フロントでお手洗いを探している様子のお客さまがいたとします。このお客さまを認識する段階までは、「観察」が重要です。次に、観察を続けてみると、手元に洋服を持っていることが分かるとしましょう。すると、お客さまの様子から、もしかしたら着替える場所を探しているのかもしれないと、ご要望の可能性を「想像」することができますよね。それがわかれば実際に話しかけてみて「提案」が生まれるといったイメージです。日々このような姿勢を持つことが、アカデミーでも伝えていた「お客さまに“何ができるか”を考える」ことだと思っています。
当ホテルも、立地の影響もあってか、日々お客さまの年齢層やグループサイズの変化が激しいです。お客さまに合わせた接客ができるよう、東京ドームのイベントスケジュールや、SNSは随時確認しています。ただ、お客さまと接するにあたっては、安心して過ごしてもらう場所にできるような観察眼を鍛えていくことが大事だと思っています。
ホテル周辺の水道橋・後楽園エリアは観光スポットも多く、お客さまにはパンフレットなどで案内する。