学び方は教えてもらうものではない。自分なりのやり方を見つけていく

これを読み続けたらダメだと思った

太田:私は勉強だと思わずコピーを読んでいました。そもそも私は、コピーライターという職業が今ほど知られていなかった時代に、アルバイト先のマーケティング会社でたまたまコピー年鑑に出会って、それが面白くて仕方がなくて、コピーライターという仕事に就きたいと思ったんです。書き手になってからも、読み手として面白いからコピー年鑑を読んでいましたが、それを努力とも勉強とも思ったことはありませんでした。

でも、書き手として読んでいたときに、これを読み続けたらダメだと思って。そのうちに、『ADC年鑑』(現『ART DIRECTION JAPAN / 日本のアートディレクション』)という書籍があることを知ったのですが、もしこの写真にコピーをつけるならどのような言葉が出るかと考えたときに、自分の中で一つ違うところに行けたような気がしましたね。

写真 人物 太田恵美氏(太田恵美事務所 コピーライター)

太田恵美氏(太田恵美事務所 コピーライター)

麻生:同じようなことを、先日三島くんと話しました。コピー年鑑を読んで何となくコピーを体感してから、その先はコピー年鑑と距離を取るのか、そうではないのか、大きく枝分かれするんですよね。三島くんは、好きなコピーを自分のリズムにするために「写経」したそうですね。

三島:はい。僕は、コピー年鑑を読んでいくうちに、好きだなと思うコピーは何人かの共通した人がつくっているということに気づいて。その人たちのコピーを新人賞から追いかけて、キャッチフレーズのたたずまいやボディコピーのテンポなどを自分の手に覚え込ませたいと思って、書き写していました。1年目の麻生さんは、どうでしたか。

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