自分自身が楽しんでつくる。ファンをつくるサイクルを広げたい

古結隆介さんは、もともとエンターテインメント業界で活躍してきたデザイナーでした。そこから、世界の医療の変革にチャレンジしているメガベンチャー・エムスリーに転職し、業務執行役員兼CDO(Chief Design Officer/最高デザイン責任者)としてデザイン組織をマネジメントしています。デザインと経営を接続する日々のなか、デザイナーという仕事について思うことを、マスメディアン の荒川が聞きました。

【前回はこちら】仕事の軸は「楽しむ」こと 結局、つくることを楽しめる人が一番強い

「デザイン経営」を推進するため、CDOを設置

──エムスリーにCDOというポジションを設置した背景は。

医療領域の課題を解決するために、エムスリーの事業をデザインの力で推進し、デザインと経営の接続を強固にしなければいけません。そのためにデザイン組織の力をさらに強める必要がありました。そこでまずデザイナーの採用を強化することから着手しました。

ところが、僕がエムスリーに二度目の入社をした2020年当時、デザイナー界隈でエムスリーは無名の会社でした。デザイナーが転職を考えるとき、多くの人は自分に馴染みの深い会社、広告やエンタメなどいわゆるコンシューマ向けサービスの会社のほうが理解しやすい。医療関連のインターネットサービスという業種自体もそうですし、そこにデザイナーが活躍できる場所があるなんて、全然知られていなかったのです。

だから、デザイン組織を拡大していくために、そしてデザイン経営を実践していくために、CDOを設置することを提案しました。

【古結さんのエムスリー入社までのキャリアはこちら

写真 人物 古結隆介 氏

エムスリー 業務執行役員 CDO
古結隆介 氏
大阪芸術大学映像学科卒業。Webを主な領域とするデザイナーとして、ラジオ局傘下の制作会社、映像配信サービス会社(当時のGyaO)を経て2009年にエムスリー入社。8年勤めたのち、ビズリーチに転職し、デザイナーの採用や教育を担う組織を立ち上げる。2020年、エムスリーからの要請を受け再び入社し、デザインチームの拡大を担う。2021年4月、CDOに就任。2024年4月より現職。

──どういうことでしょうか?

「経営にデザインを取り入れている」というエムスリーの姿勢を知ってもらえます。デザイン経営を推進している事業会社に興味があるデザイナーは多いですから、強烈なアピールになると思いました。

初代はエンジニア出身の役員に就任してもらいました。それが2020年10月のことです。そして、僕が2代目に就任したのが2021年4月。エムスリーのデザイン組織に参画したのち、さまざまな組織変革やプロダクトを通じた事業貢献といった実績が成果となり、経営チームから拝命しました。

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荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)
荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

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