ブランド周知に徹した広告と試着イベント
住友ゴム工業はスニーカーやアパレルを扱うブランド「DUNLOP REFINED(ダンロップリファインド)」の周知策として、「父の日」の購入をあえて薦めない「父の日に買わないで。キャンペーン」を展開した。6月10~16日にシューズの写真と共に「父の日に買わないで。」というキャッチコピーを掲載した広告を渋谷駅地下に掲出。15~16日には商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」(東京・渋谷)でシューズを試着可能な特設展示場を展開した。
最適な靴選びをサポートする「シューフィッター」の白髪貴紀氏(広島化成・シューズ事業本部)
同ブランドは2021年に誕生。30~40代男性がコミュニケーションターゲットだが、幅広い客層に適した商品として開発した。実際には30~60代男性に売れているという。シューズでは、通気性と防水性を両立した商品、自転車での利用に適した商品など、様々なシチュエーションやニーズに合致した商品をラインナップしており、快適な機能によって利用者の気持ちを「前向きにする」ことをコンセプトとしている。
一方、ブランドの認知度が足りていないことが現状の課題としている。様々な競合製品が存在する中、同ブランドの機能面やコンセプトに共感する人に訴求する戦略を掲げる。
そこで同社は、「『父の日』には、父親にプレゼントを送る」という認識を逆手にとり、父親以外の若年層も含めた幅広いターゲットに訴求するキャンペーンを展開。試着を通じて自分自身にとって最適な靴を見つけてもらう考えだ。プランニングを担当した電通の濱田龍慈氏は「『父の日』向けのコミュニケーションがあふれている中、あえて『買わないで』と伝えることで、興味を持ってもらえる」と狙いを話した。