セイコー「時の記念日」新聞広告に大谷翔平、タイパ志向へのアンチテーゼ表現

セイコーグループは9日、6月10日の「時の記念日」に合わせて大谷翔平選手を起用した新聞広告を掲載した。見開き30段の紙面中央に大谷選手を小さく捉えたグラフィックが特徴で、「いまを生きる人が、いちばん強い。」というコピーとともに記念日を知らせている。

実データ グラフィック セイコーグループ/SEIKO「時の記念日」グループ企業広告「いまを生きる人が、いちばん強い。」。

セイコーグループ/SEIKO「時の記念日」グループ企業広告「いまを生きる人が、いちばん強い。」。

セイコーグループは、これまでも「時の記念日」に合わせて広告を掲出し、「社会のあり方とともに変わっていく時の捉え方」をメッセージとして伝えてきた。また2017年から毎年、「セイコー時間白書」として、生活者に時間についての意識や実態を探る調査も同時期に行っている。

今回の広告は、調査を基に考案したものだ。「調査結果では、“タイパ”という考えが2年連続で生活者の興味の主題となっていることがわかりました。今回の広告メッセージは、そのタイパに対するアンチテーゼという側面があります。時に関わる企業として『今を悔いなく懸命に生きる』ことをメッセージし、その熱量や革新が未来をつくることを伝えました」(電通 クリエイティブディレクター 塚本哲也氏)。

グラフィックには、「SEIKO」ブランドのイメージキャラクターを務めている大谷選手を起用。見開き30段の紙面中央に、バットを構えた大谷選手をズームアウトさせたように小さく写している。SNSやネットニュースでは、「史上もっとも小さく大谷選手を起用した広告」などと話題になった。

広い余白には、「今を懸命に生きることでその余白が豊かなもので満たされていく」という思いを込めた。塚本氏は「“今”を表現する上で大切にしたのは、まだ何も決まっていない余白です。大谷選手には、ただひらすら目の前のことに集中する“今”という時の象徴になってもらう狙いがありました」と説明する。

コピーも、「未来」ではなく「今」に目を向けた。「本当に強い人とは、目指すべき方向を意識しながらも目の前にあることを全力でやる人ではないか、という思いを込めています。それを体現しているのが大谷選手なのだと思います」(UltraBlack コピーライター 藤本宗将氏)。

advertimes_endmark

スタッフリスト

企画制作 電通+UltraBlack+アドブレーン+電通ライブ
CD 塚本哲也
C 藤本宗将
AD 中村直人、簑原章一郎
D 並木結花、平山弘一郎、藤田耕平
CPr 鈴木夢乃
もっと見る

Pr 高橋祥伸、川島光晶
レタッチ 江口唱一郎
AE 丸島一恵、古賀明成
製版 二字奈穂美
出演 大谷翔平
掲載 日経(6/9)
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事