高田馬場駅で2019年から続く、自動車教習所の謎の広告

埼玉県和光市にある自動車教習所「レインボーモータースクール」。通学バスが発着する高田馬場駅の構内に、4 月1 日からフラッグ広告が掲出されている。

写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告

レインボーモータースクールの広告「※上から目線の広告です」。広告は高田馬場駅構内上部に掲出され、まさに“上から目線” で見下ろされる形になる。

その内容は、「資格がなければ免許を取ればいいじゃない。」といったコピーとともにヨーロッパの王族を思わせる女性の顔が大写しになり、「※上から目線の広告です」という注釈が付くというもの。これまで6 年間続き、SNS でもたびたび話題となる広告展開の最新作だ。

写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告
写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告
写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告

最近は低姿勢の企業広告が多いことから、その逆をいくという発想で生まれた。「メンキョ・トリーナ2 世」と書かれた女性の姿は、試行錯誤の末、アートディレクターがAI を駆使してつくったもの。

最初の広告が生まれたのは2019年のこと、教習所を運営するホンダレインボーモータースクールから依頼を受けて高田馬場駅構内や電車内の広告を電通が制作した。

コピーライターの飛田ともちか氏は、当時をこう振り返る。

「若手がアサインされて、高田馬場に集う若者に面白がってもらえるような広告を制作したんです。自由な発想が許される場だったので、駅広告なのに電車を敵に回しちゃうようなコピーや、『正面より横顔の方があなたはカッコいい。』というような、やや挑戦的なコピーをたくさんつくりました」。

一方、レインボーモータースクールでは従業員からコピーを募り、内製による電車内広告も展開。こちらも異色の広告として話題となり、現在も並走体制が続く。

「クライアントがつくる広告に負けちゃうのは悲しいので(笑)、毎回新しい表現を提案しています。猫のかわいさで押し切ったり、スマホ広告のように免許証を紹介したり。予算の制限もあって毎回がアイデア勝負。それだけに純粋に面白い発想を広告にできる環境だと思います」。

写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告
写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告
写真 グラフィック 掲出風景 レインボーモータースクールの広告

2023 年掲出の“スマートフォン風” 広告。免許証の厚みを「衝撃の0.76mm」と言ってみたり、身分証になることを「顔認証機能、搭載」と言ってみたり。

心がけているのは、単なる宣伝にはしないこと。あくまで“話題型” であり続けることがクライアントらしさにつながると飛田氏。

「最近はSNS でもシリーズに期待する声が出てきましたし、続けることに意味があると思っています。これからもクライアントに追い抜かれないよう頑張ります(笑)」。

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取材・執筆:rewrite_W

スタッフリスト

企画制作 電通
ECD 佐藤義浩
CD 杉谷有二
企画+C 飛田ともちか
AD 三角瞳、山口大空翔
AE 岸貴宏、吉崎あかり、蒋奇
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