第1回は、Hivestack Japanの片岡裕紀氏が広告枠取引の進化について解説します。
進化する交通メディアの広告枠取引
コンピューターの技術革新は私たちに様々な恩恵をもたらしています。それはDOOH(Digital Out-Of-Home)における交通広告も例外ではありません。
この数年で交通媒体は、スマートデバイスやセンサーデータ、改札、その関連サービスなどのデータを活用した新たな広告商品が開発されています。インターネット広告と同じようにインプレッションと呼ばれるオーディエンスデータ(※1)をプログラマティックDOOH広告プラットフォーム(pDOOH広告プラットフォーム)で取引できるようになり、インターネット広告のバイヤーも交通媒体を購入できるなど、これまでになかった新しい広告取引を交通広告にもたらしています。交通広告については、これまではロケーションが広告主の関心事のほぼすべてでしたが、そこに「オーディエンスデータ」という軸が加わったことは大きな変化といえるでしょう。
ネット広告の仕組みを導入 DSPから購入可能に
過去から現代まで多くのDOOHは、媒体社や運用会社によって番組表と呼ばれる予約された順番にコンテンツや広告の再生/表示が行われる仕組みで運用しており、広告クリエイティブの審査に加えてコンテンツ管理や配信設定、収益管理など複数のシステム運用と管理が負担になっています。また、広告会社も予約された広告枠の管理や広告キャンペーンの予算管理、計画と提案、広告クリエイティブの制作、その進捗や報告などの仕事に時間を費やしています。
これらは過去にインターネット広告が抱えていた課題と類似しており、媒体社はインベントリと広告ネットワークの拡大に伴い管理と運用コストの増加と広告売買が複雑化していく傾向にあり、広告会社も同様にメディアリレーションの増加とキャンペーンや広告予算の運用管理などが負担になっていく傾向にあります。
これらの課題を解決するためにプログラマティックDOOHが登場しました。このプログラマティックDOOHの広告テクノロジーはインターネット広告のOpenRTB と呼ばれる仕組みが利用されています。つまり、インターネット広告と同じような仕組みで広告取引ができます。