MIXI オフィスを一部改修 「働きやすさ」追求で利用満足度は高水準

リアルの価値が再認識される中、オフィスは企業にとってコミュニケーションツールとしての存在感を高めている。本記事ではMIXIのオフィスに潜入し、同社のコミュニケーション戦略を紐解いていく。
※本記事は、月刊『広報会議』7月号の連載「オフィスに見るコミュニケーション戦略」を転載した内容です。

MIXIは2024年3月までに、本社の一部改修を実施した。

“個人の業務への集中”のための「DEEP ZONE」と社内コミュニケーションを促す「ファミレスブース」を新設。渋谷スクランブルスクエアに位置する本社で、“従業員にとってより快適な職場環境”を追求し、生産性の向上や新たなアイデアの創出を図っている。

写真 店舗・商業施設 MIXI本社「DEEP ZONE」
写真 店舗・商業施設 MIXI本社「DEEP ZONE」

2024年の改修で新設された「DEEP ZONE」には、多様な業務に対応できる映像編集用モニターなどを設置。またDEEP ZONEの隣には会話禁止で静かに休息を取れるREST ZONEを配置した。各エリアの照明は最低限に保ち、業務や休息に没入しやすい環境に。

写真 店舗・商業施設 MIXI本社「ファミレスブース」

オフィスの内階段横には「ファミレスブース」を配置。各種ケーブルとモニターが設置されており、リモート会議やランチミーティングで活発に利用されている。

写真 店舗・商業施設 MIXI本社エントランス

来客を迎える36階のエントランスには、長さ20mのLEDスクリーンを設置。投影する画像・映像を時期によって変え、“新たなMIXI” と常に出会える空間になっている。

今回の改修は2020年3月に大規模移転した本社オフィスのアップデートといえる。

そもそも2013年、同社のゲーム“モンスターストライク”の大ヒットを皮切りに従業員数が急増。2019年には渋谷にサテライトオフィスを含む5カ所のオフィスを設置する体制となり、社屋間のコミュニケーションが課題に。そこでオフィスの管理を担ってきた「はたらく環境推進本部」が主導し「新オフィスへの統合移転プロジェクト」を開始した。

新オフィスのコンセプトは「For Communication」。従業員が「コミュニケーションを取りたい時に取れる」働きやすいオフィスを目指した。特徴的なのは、9フロアをつなげる内階段の設置。エレベーターを使わずともフロア間を行き来でき、偶発的なコミュニケーションの創出に役立っている。

写真 店舗・商業施設 MIXI本社35階
写真 店舗・商業施設 MIXI本社35階

全てのフロアにコンセプトが設けられている。35階のコンセプトは「Bazaar」。混沌とした渋谷の街の特徴を再現した。各フロアをつなぐ内階段(画像上)は、偶発的なコミュニケーションの創出にもつながっている。

写真 店舗・商業施設 MIXI本社執務エリア

執務エリアは、座席によって業務効率が左右されないようデバイスなどのスペックを統一。頻繁に実施する、オフィス内の部署・人員移動にも対応できる。各デスクに設置された社員名の電子名札は社員を探すのに役立つ。

移転直後にコロナ禍となり、出社制限への対応を余儀なくされたが、部署ごとに最適な出社頻度を選択できる「マーブルワークスタイル」制度を導入し、業務効率の安定を図った。そしてコロナが明けて出社率が安定した2024年1月から、一部改修を実施。従業員の働きやすさに対応した。

「オフィス移転から3年の時点でも従業員の利用満足度は90%を超えていました。今後も従業員のニーズを踏まえ、会社に来た従業員が『出社してよかった!』と思えるようアップデートしていきたい」とはたらく環境推進本部マネージャーの嵯峨勇氏は語った。

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