タミヤのツインスターが進化 新橋に模型文化の発信拠点をオープン

タミヤは5月、新橋にある直営店を移転し、フラッグシップ拠点としてリニューアルオープンした。新施設は、売り場としての機能だけでなく、世界に「模型文化」を発信する拠点として開業。シンボルの赤と青のツインスターを基軸に、空間全体をデザインしている。

写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

装いを新たにリニューアルオープンした「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」。

ツインスターに加えて新たなイメージを

総合模型メーカーのタミヤ(静岡市)は5月24 日、新橋にフラッグシップ拠点「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」をオープンした。2008 年から続いた旧店舗を移転し、約483 平米の空間には新たにイベントスペースやカフェを併設するなどライト層にも模型の楽しさを伝える発信拠点としての役割を担う。

写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO
写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO
写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

カフェスペースも併設。サインデザインとして、夜間に温かく光る演出や、丸看板のピクトグラムなどでデザインの工夫を施した。

空間全体のクリエイティブディレクションは、サン・アドの葛西薫さんによるもの。タミヤといえば赤と青のツインスターのロゴがおなじみだが、まず「施設ではツインスターに加えて、新たな“シグネチャー”をつくりたい」という相談があった。

ツインスターは現会長の弟で、デザイナーの田宮督夫さんが1966 年に生み出し、長く愛されてきたタミヤの伝統的な象徴でもある。「田宮信央専務から“これまでの積み重ねを大切にしながら、新しさを持った、ワクワクする店舗を”と依頼がありました。模型文化への熱い思いにも触れ、発信拠点としてどのようなデザインを施すか、まずはチームで考えました」(葛西さん)。

制作チームのメンバーは幼少期にミニ四駆ブームを経験した30 代が中心で、模型好きばかり。「僕自身がミニ四駆ブームの世代で、タミヤには特別な思い入れがありました。タミヤのイメージを裏切らないように取り組みました」(サン・アド アートディレクター 中山智裕さん)。

空間全体をラックのように演出

サン・アドに声がかかったのは2023 年10 月下旬。トラフ建築設計事務所による、ジグザグに連なる商品棚が特徴的なスペース計画に沿って、サインデザインを進めていった。約6000 点ものアイテムが並ぶ施設内は、模型の種類や工具などによってAからFの6 つのスペースに分けられている。

パース・イメージ 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

施設のフロアマップ。ミリタリーや飛行機、艦船などの模型のほか、子ども向けの工作セットもある。

ラックは高さ約4 メートルで、全長約100メートルにも及ぶ。「ひと続きのラックがうねうねとつながり、空間全体をラックの一部のように見せました。スペースを表すアルファベットのサインは、部品の一部に見えるように付けています」(中山さん)。

写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

空間には、ひと続きのラックが配置されている。

施設内には新たなシグネチャーとして、イタリアのアーティスト、フランチェスカ・ゲルマンディさんによる描き下ろし作品をカフェ、イベントスペースに配置している。いずれも赤・青のレーシングカーや青い車に乗った女性など、タミヤのツインスターの要素を取り入れつつも自由なトーンで表現している。

写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

写真 店舗・商業施設 TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO

フランチェスカ・ゲルマンディさんが制作したイラスト。イラストを用いた限定グッズも販売している。

「彼女は元々、車を描いた作品が多いんです。メカニックな世界観に造詣が深く、ファンタジックな表現も得意なアーティスト。静岡県にあるタミヤの本社を見学してもらい、この施設から生まれる模型の楽しみを感じられるようなイラストを描いていただきました」(サン・アド アートディレクター 石田和幸さん)。

実データ グラフィック JR新橋駅に掲出した「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」のパノラマ広告

JR新橋駅に掲出したパノラマ広告。イラストでは、タイポグラフィを連ねて模型の車に見立てつつメッセージを伝えている。

オープンに合わせ、5 月中旬からJR 新橋駅や東京メトロ銀座線車両内などにフランチェスカさんのイラストを用いた広告を掲出した。中でも新橋駅のパノラマ広告ではツインスターのモチーフを活かしつつ、「TAMIYA TOKYO」「Do You Like Mokei?」といったタイポグラフィを連ね、模型の車を思わせる造形に仕立てた。「これはタイポグラフィも得意な彼女のアイデアです」と葛西さん。

「『Do You Like Mokei?』という直球のコピーは、模型を世界に通じる言葉にしたいという思いから生まれたもの。『もちろん、模型が好きだよね?』とフランクに問いかけ、新たな施設へ足を運びたくなる期待感を高めています」(サン・アド コピーライター 内藤零さん)。

写真 グラフィック 掲出風景 「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」の広告

施設付近の消火栓にも広告を複数掲出している。

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スタッフリスト

企画制作 サン・アド
CD 葛西薫
C 内藤零
AD 中山智裕、石田和幸
I フランチェスカ・ゲルマンディ
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Pr 坂東美和子、福地陽介
建築設計 トラフ建築設計事務所
掲出 JR新橋駅(5/13 ~ 5/26)、東京メトロ銀座線(5/20 ~ 5/26)、施設付近の消火栓広告(5/20 ~通年予定)
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