ファイントゥデイHD 社内工場スタッフにサンプル配布、グループ一体化図る

人材の流動化が高まり、多様性のある組織づくりが推進されている中、社内コミュニケーションがますます重要になっています。
本記事では、グループ2社の一体感醸成を図るために行われたファイントゥデイホールディングスの社内コミュニケーション施策を紹介します。

※本記事は、『広報会議』(2024年7月号)巻頭特集『社内コミュニケーション 多様性ある組織で一体感を高める方法』の転載記事です。

DATA

企業名 ファイントゥデイホールディングス
創立年 2021年
従業員数 約2600名(2024年4月現在)
施策の管轄部門 組織横断型の「TSUGUMIプロジェクト」のメンバー

資生堂のパーソナルケア事業を引き継ぎ、2021年に設立されたファイントゥデイホールディングス。ヘアケアをはじめ製品の販売などを担う「ファイントゥデイ」と、生産を担う「ファイントゥデイインダストリーズ」で構成される。

こうした中、変化の激しいアジアの市場で成長するには、組織間の密な連携が必須に。また創業時は全体で300名だった社員が加速度的に増え、異なる背景を持った社員の団結が必要となり、2023年6月に両社の社員による有志団体「TSUMUGIプロジェクト」を結成。多様な社内コミュニケーション施策を推進する。

「ものづくりへの姿勢」示す

2024年1月には、同社初のオリジナルヘアケアブランド「+tmr」の発売に先立ち、工場でサンプル配布企画を実施。新商品の体験を通じ「お客さまに胸を張っておすすめできる “ものづくり” への姿勢」を、社員に感じてもらう狙いがあった。

重視したのは、「ブランドの誕生背景やこだわりを理解した上で製品を体験してもらうこと」だ。サンプルの配布だけでなく、ブランドマネージャーから生産現場のリーダーへ、リーダーから現場へとブランドへの思いをつなぐ機会を設定。

サンプルの台紙も独自で作成しマーケティングや営業担当者の顔写真とメッセージを記載したほか、ブランドが目指す「明るい気持ちになる」デザインにこだわった。社員からは「生産時に晴れやかな気持ちになった」「製品により責任と愛着を抱く契機となった」などの声が寄せられた。

写真 工場勤務の社員に新商品のサンプルを配布する様子

工場勤務の社員に新商品のサンプルを配布する様子。工場では完成品に触れる機会が少ないこともあり、「体験できることが嬉しい」などポジティブな反響が多くあがった。

写真

サンプル配布用に台紙を作成。マーケティングや営業担当者からのメッセージを記載したほか、「明るい気持ちになる」パッケージデザインにこだわった。

同プロジェクトではほかにも、NPO法人と連携し本社のある港区の「ひとり親家庭にクリスマスギフトを配布する」という社会貢献活動を実施。2社の団結のために社員が自発的に企画を考える中で、パーパスである「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにする」の体現を目指した。

社外向けの取り組みだが、実現には複数の部署と連携する必要がある。社員から「2社がどんな仕事をしているのか、互いを深く知ることができた」との反応があるなど、社内コミュニケーションにも奏功した。

「社員自ら企画を考えて予算を獲得、実現したことが、組織の一体化につながったと感じます。今後も会社と共に成長できる施策を推進していきたいです」(サステナビリティ本部 企業広報G 余川梨子氏)。

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実データ グラフィック 月刊『広報会議』20204年7月号 表紙

広報会議2024年7月号

特集
社内コミュニケーション
多様性ある組織で一体感を高める方法

 
GUIDE
なぜ今、社内コミュニケーションが重要か
「理念浸透」が多様性ある組織の一本軸に
深澤了 むすび代表取締役
 
GUIDE
その社内向け施策、本当に社員に響いてる?
ストーリー系コンテンツの可能性に注目
小野真由美 グラスルーツ代表取締役
 
GUIDE
エンゲージメント調査を活用し対話の場の構築を
広報部門は「部門間の橋渡し・翻訳機能」を担う
岡田恵子 タワーズワトソン取締役
 
GUIDE
組織の「心理的安全性」の向上に
効果的な社内コミュニケーション施策
曽和利光 人材研究所代表
 
対談企画
ユニーク入社式実施企業に聞く
社員が自発的に参画したくなる仕組みづくり
パナソニック コネクト 鈴木恭平×ローソン 村田くるみ氏
 
CASE1
「エバラジオ」予定調和なしのリアルさで関心喚起
参加型コンテンツで従業員200名が登場
 
CASE2
パーパスが実現した未来をレゴブロックで表現
カオナビのボトムアップ型プロジェクト
 
CASE3
社員に寄り添うトップメッセージを部内で企画
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の動画社内報
 
CASE 4
2024年度新入社員がCMを制作
チームでの挑戦により仲間意識を醸成
 
CASE 5
社員向けクーポン配布を登録のフックに
LINE社内報「ひざつきジャーナル」
 
CASE 6
1日出社イベントで部署内外の交流活性化
昼開催で時短社員含め誰もが参加しやすく
 
CASE7
グループ2社横断型の「組織一体化プロジェクト」
サンプル配布で「思い」伝え社内ファン醸成
 
COLUMN
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