「香り」による消費行動の変化を分析 東芝テックの「香りリテールメディア」

東芝テックは香りを活用した新しいマーケティング手法として「香りリテールメディア」を開発した。サイネージと香り噴出口、棚前行動を取得するセンサーを組み合わせたシステムで、総合企画事業などを手掛けるスコープと共同で開発。6月17日に提供開始し、導入第1号として、伊藤忠商事の「ライオンコーヒー」の香りを店頭で体験できる販促キャンペーン「飲まないカフェ」をスタートした。試飲販売を行わず、コーヒーのフレーバーを再現した香料を噴射することで香りを来店客に提供。キャンペーンの目標は認知度の向上と売上の拡大で、今までライオンコーヒーを飲んだことがなかった顧客の興味喚起を期待している。

タブレット操作で商品の香りが噴射されるイメージ

従来の香りの見本では消費者の行動変容を正確に把握することが困難という課題に対して、香り商材の販促をデジタル化することで対応。システム・ケイが提供する「棚前行動分析システム」を活用することで、販促効果を分析できるようにする狙いがある。

商品棚にあるタブレットを操作して、商品ごとの香りが噴射された回数のデータを収集することで、消費者の香りに対する反応を把握できる。商品棚上部に設置したカメラによって消費者の棚前での滞在時間や商品を手に取ったかどうかのデータを収集し、消費者行動の変化も分析可能。これらのデータとPOSデータを掛け合わせて販促効果を分析する。

過去に行った実証実験では、香り噴出口があることで消費者の棚前での滞在時間が延び、それが商品理解やブランド認知の向上、売上拡大につながったという結果が出ている。また、香り見本管理の手間を減らすことができるため、管理工数の削減効果も見込めるという。

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