速乾性に優れたタオル生地の強みを生かす
愛媛県今治市の名産品「今治タオル」を製造・販売するハートウエルは6月、速乾性に優れたタオル「モウカワイターノ」を発売した。同社が4~5年前に発売した速乾タオル「今治ドライ」の反響が大きかったことから、さらに乾きやすさを追求した新商品を開発。来年2月末までに2万枚の販売目標を掲げる。「モウカワイターノ」の速乾性を生かし、歯ブラシケースも開発。カバンの中でも蒸れにくく、丸洗いできるため、清潔に歯ブラシを持ち運びできる。歯ブラシケースは5000枚の販売を目指す。
速乾性を追求した新商品「モウカワイターノ」
1930年創業のハートウエルは、自社オリジナルのタオル製品の生産と販売も手掛ける。今治産地で縫製品の製作にいち早く着手したメーカーとして、今治タオルで作ったバスタオルやハンカチのほか、タオルケットやポンチョといったベビーグッズなどを販売。公式ECサイトのほか、全国の販売店で取り扱っている。自社ECサイトでは30代後半から50代前半までの女性の利用が多い。直営店には国内外の様々な年代や性別の顧客が訪れる。
「今治タオル」は愛媛県の今治市の名産品で、約120年前の明治時代から製造されている。吸水性に優れるほか、織る前の糸の状態で染める「先晒し先染め」によって綿本来の柔らかさを引き出している点が特長。国内で製造されるタオルのうち5割は今治市で作られており、国外にも人気が広がっている。
同社は約3.3時間の室内干しで乾く速乾タオル「今治ドライ」を4~5年前に発売。機能性の高いタオルの需要が確認できたことから、より速乾性に優れた「モウカワイターノ」を開発した。「モウカワイターノ」は同条件で、約2.5時間で乾くという。速乾タオルの多くがマイクロファイバー製だが、肌触りを重視して綿95%の素材を使用している点も強みとしている。
タオル生地には、水分を吸い取ってすぐに乾く珪藻土の構造を再現した「珪藻構造糸」を使用。特殊2層構造にすることで、糸内部に多くのエアーポケットを作り出し、吸水性・速乾性を高める構造を持っている。パイルの長さや織り方においても、乾きやすさを追求し工夫を凝らした。
同社は説得力のある提案のため、エビデンスの取得に力を入れており、今回の新商品では「第三者機関での洗濯乾燥試験において、非常に優れた乾燥スピードを記録した」という。