警察庁の調べによると、なりすまし型を含む、SNSを用いた投資詐欺の被害額は、2024年1〜3月で約220億円、認知件数は1700件に上る。SNS投資詐欺のうち、被疑者が、著名人をかたってなりすましていた割合は19.0%で、323件だった。なりすまし型以外も含めると、バナー広告などで最初に接触したケースが半数近く、843件だった。
スタートトゥデイ(現=ZOZO)創業者で起業家の前澤友作氏はことし5月、同氏の肖像などを用いた偽広告が、メタ社の運営するSNS「Facebook」や「Instagram」に掲載され続けているとして、同社を提訴したことを明らかにしていた。23年8月ごろから、くり返し要請しても削除されない、などの状況を、自身のX(旧=Twitter)アカウントなどで訴え続けていた。
広告主企業などで構成する日本アドバタイザーズ協会(関連記事open_in_new)は5月、なりすまし型偽広告が社会問題となっていることを受け、「社会問題化するデジタルメディア上の詐欺広告に対する緊急提言」として、SNSなどのプラットフォーム企業に対し、「アドバタイザー(=広告主)が安心して広告を掲出するために、自社サイトのコンテンツや取り扱う広告、および広告掲載先のメディアの品質管理に責任を果たすべきである」との声明を出した。
メディアにも「MFAのような広告費を無駄に消費するために作られたメディア群や、上記のような品質に問題のあるコンテンツが掲載されるメディア、アドフラウド・ブランドセーフティに問題のあるメディアが存在しないよう注力すべき」と求めた。
広告主としても、「自社の広告が、どのメディアに掲出され、どこに費用が使われているか認識し、不適切なメディアへ資金が流れないように最大限の注意を払う。安心・安全なメディアへの広告掲載を実施する」としている。