人流データ×消費者意識データで進化するOOH広告の効果測定

交通広告・OOHに強みを持つメトロアドエージェンシーと、マーケティング・広告の専門メディア「AdverTimes.(アドタイ)」とのコラボレーションで、OOH領域の知見をより広く、深くお伝えしていく短期連載。

第2回は、ジオテクノロジーズの岡枝幹也氏が人流データを活用したOOH広告の効果測定について解説します。

ROI計測が難しかったOOH広告

都市の景観に溶け込み、多くの人が日常的に目にしているOOH広告。その存在感や普及度合いとは裏腹に、広告がもたらす影響を科学的に解析・効果を最大限活用することが難しいという構造的な問題を抱えています。しかしながら昨今、OOH広告の定量的評価という難問に「人流データ」という切り口のアプローチが見いだされ、業界に新しい風が吹こうとしています。本稿では業界が直面する課題と取り組みについて、データに基づく解決策を具体例とともにご紹介します。

そもそもOOH広告とは、ビルボードや交通広告といった公共空間に掲出されるもの。視認性の高さを武器に、長年にわたって効果的なマーケティング手段でした。デジタル広告全盛の今もなおその有用性・影響力は衰えていないものの、デジタル化やそれに伴う消費者行動の変化により、ある種の“融通の利かなさ”が表面化してきました。

その最たるものは、広告効果を定量的に測定することが困難である点でしょう。アナログ媒体であるがゆえに、「いつ」「誰が」その広告に接触し 「どのように」行動変容を起こしたかを測ることが難しい、ということです。こうしたトラッキングの難しさゆえにOOH広告はROI(投資対効果)の評価がしづらく、広告主が適切な投資判断を下しにくい、というある種の扱いにくさをはらんできました。

また、OOH広告はその性質上、一度出稿してしまうとターゲティングや広告素材を迅速に変更する・差し替えることが難しく、広告のパーソナライゼーションが制限されてしまう点もウィークポイントといえるでしょう。いずれにしても「アナログメディアである」ということに起因する問題といえます。

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