チャンネル登録者数20万人達成 若年層に気候変動対策を訴求、チューリッヒ保険会社

20万人達成記念の期間限定カフェオープン

チューリッヒ保険会社は、気候変動対策の取り組みの一環で2022年に開設したYouTubeチャンネル「Green Music produced by Zurich」の登録者数が20万人を達成したと発表した。アニメ監督の新井陽次郎氏が手掛けるアニメーションと、気候変動対策に賛同するミュージシャンが描き下ろしたBGMを組み合わせた動画を投稿しており、グループ全体のパーパスの推進のほか、ブランドイメージの向上につなげることで、同業他社との差別化を図る狙いもある。20万人突破を記念し、チャンネルの世界観を体感できるリアル店舗「Green Music Cafe」を期間限定オープンした。期間は6月22~23日の2日間。クリームソーダを創作する「旅する喫茶」とコラボし、オリジナルクリームソーダを販売した。

「Green Music produced by Zurich」の世界観を体感できる「Green Music Cafe」。立川氏は「今後も、ほかではやっていないような施策を検討する」と話す

同社が属するチューリッヒ・インシュアランス・グループは「明るい未来を共に創造する」をパーパスに掲げており、その一環として気候変動の取り組みを世界中で展開している。日本ではアニメと音楽を融合したコンテンツをYouTubeで公開することで、気候変動について考えるきっかけを提供。チューリッヒ保険会社チーフ・マーケティング・オフィサーの立川麻理氏は「日本は気候変動に対するアクションは他国と比べて浸透していない」とし、今後の伸びしろに期待できるという。

YouTubeを活用している理由は、若年層にアプローチするためだ。新井監督が手掛けるアニメーションは日本全国の実在するスポットをピックアップしており、自然豊かな日本の情景を伝えることで、気候変動対策の重要性を周知している。落ち着いた印象のBGMは勉強や仕事などの合間に聞く「作業用BGM」として人気があり、現在は登録者20万人に加え、視聴回数も1420万回を超えるチャンネルに成長した。

本業の保険事業とは意図的に分けて展開しており、動画やチャンネルで保険の話題を出すことはないが、グループ全体でサステナビリティに注力していることをアピールし、ブランドイメージの向上につなげる考えはあるという。立川氏は「情緒的な価値を提供することで、継続的なサービスの利用につながる」と話し、保険会社として共感を呼ぶブランドストーリーの展開は重要だと指摘した。日本でもSDGsの普及が進む一方で、気候変動に注力する企業は少なく、これらの取り組みが同業他社との大きな差別化につながるという。


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