データで読み解く、コロナ禍前後の生活者行動とOOHメディアの可能性

一方で平日夜間に目を向けると、昼間ほど戻ってきていないことが浮き彫りになります。コロナ禍に定着した「イエナカ時間重視」といった意識変化からか、以前ほどは「仕事帰りに買い物やご飯を楽しんで」という行動が減少していることがその背景にあると考えられます。また、物価高により外での飲食を控えたり短時間で切り上げたり、といった節約意識の高まりも要因と考えられます。

図表3:平日夜間(20時台)の人出(位置情報による人流データ分析)

グラフ その他 平日夜間(20時台)の人出(位置情報による人流データ分析)

イエナカ時間機会増に伴い、夜の街も8割程度の戻り。遅くまで遊ぶ機会も減少へ。

体験型メディアという特性がOOHの魅力

今年2月に電通から発表された「日本の広告費(※3)」をひも解くと、屋外広告が含まれるプロモーションメディア広告費は前年比103%と伸長しており、内訳では「イベント・展示・映像(同129%)」、「交通広告(同108%)」、「屋外広告(同102%)」とそれぞれ回復が確認できます。人々の外出機会が順調に回復に向かっていることから、企業におけるOOHの活用は今後も活発になっていくものと思われます。

外出機会の増加と併せて、OOHへの期待が高まる要因に生活者の「体験重視」への潮流があります。モノよりもストーリーを伴う体験を大切にする今日の風潮において、OOHは「ストーリー化」されやすく記憶や検索や購買をはじめとしたその後の行動へと続く力を持っていると感じています。

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