既存店への顧客流出を防ぐ専売PB ワークマン、「#ワークマン女子」のPB比率を3割に

機能性カジュアル商品を新たな柱に

ワークマンはカジュアル向けアパレルを扱う「#ワークマン女子」の品そろえ強化と出店攻勢を図る。今年9月から来年5月までに主力の路面店を27店、大型ショッピングモール内の店舗を3店出店予定。商品では専売プライベートブランド(PB)の比率を高める方針で、9月には現在の18%から30%に拡大する。出店拡大と商品力強化によって好調な勢いを維持したい考えだ。

写真 店舗・商業施設 #ワークマン女子本巣真正店

PB商品の充実を図る「#ワークマン女子」。写真は「#ワークマン女子本巣真正店」(岐阜県)

一般向け商品を扱う新業態店「#ワークマン女子」は2020年に1号店をオープンし、5月31日時点で64店舗。ほぼ全店で黒字経営を維持しており、2023年度も前年以上の実績だという。

機能性の高い作業服を扱うワークマンは、新型コロナ流行時にはアウトドアブームの隆盛が追い風となったが、アウトドア向けのイメージが浸透しすぎたことが課題となっている。アウトドアブームが落ち着いた現在はイメージの転換を図っており、機能性カジュアル商品を新たな経営の柱として成長させたい考えだ。「#ワークマン女子」を、カジュアル商品を多数そろえる店として定着させ、既存店との差別化を進める。

ショッピングモール内の「#ワークマン女子」では半数以上が女性客だが、男性客も3割近くが利用する。現状で課題となっているのが、男性客が既存店に流出する傾向により、売り上げの前年比割れが起きやすい点だ。作業服の中には一般客向けとしても使えるものが多く、男性向けの選択肢は既存店の方が多い。女子店の出店が増加すると、新規出店した遠隔地からの顧客が減る傾向もある。そこで同社は「#ワークマン女子」の専売製品比率を2年間で6割まで高めることで他業態店との差別化を進める。9月には男性用専売製品を30アイテム投入し、「#ワークマン女子」の男性売り場の15%を専売PBにするとしている。


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