出生数減少でも安定市場の粉ミルク 「溶けやすさ」重視のリニューアル、江崎グリコ

塩分量にまでこだわった母乳に近いミルク

江崎グリコは6月24日、乳幼児用ミルク「アイクレオ」ブランドの粉ミルク7品をリニューアルした。国内出生数が減る一方、共働き世帯の増加によって時短につながる「溶けやすさ」が粉ミルクに求められており、リニューアル発売した「アイクレオ バランスミルク」においては、溶けるまでの時間が従来品と比べて半減した。同社は、今回のリニューアルを通じてより信頼できるブランドを目指す考えだ。全国の店舗で順次切り替えるほか、自社ECサイトなどで販売する。

写真 商品・製品 リニューアル発売した「アイクレオ バランスミルク」と「アイクレオ グローアップミルク」

リニューアル発売した「アイクレオ バランスミルク」と「アイクレオ グローアップミルク」

共働き世帯の増加などが原因で、粉ミルクの国内市場は安定推移している。特に重視されているのが「溶けやすさ」で、重要な購買決定要因となっている。リニューアル発売した「アイクレオ バランスミルク」と「アイクレオ グローアップミルク」は、2024年春から本格稼働を開始した岐阜工場の最新設備での製造により、栄養成分はそのままで、より溶けやすくダマになりにくくなった。

競合との市場競争に勝つため、同社は母乳の成分を徹底的に研究し、母乳に近い味や色、香りにまでこだわっているという。乳幼児の身体への影響を考え、塩分量も母乳と同様の数値に抑えている。乳業事業部マーケティング部の犀川有彩氏は「乳幼児も大人と同様に、塩分を取りすぎると体に水分が溜まりやすくなる」と話す。消化吸収にもこだわっており、アミノ酸バランスと脂肪酸組成も母乳に近づけた。

複数缶セットの包装材料を紙に変更し、プラスチック使用量を削減するなど環境にも配慮。犀川氏は「未来を生きる子どもたちのため、少しでも環境に配慮した方法で作りたい」と狙いを強調。天面には親子の「やりとり遊び」に使えるイラストがついている。

「アイクレオ バランスミルク」は生後0か月~1歳頃までの乳幼児が対象。アミノ酸や脂肪酸の種類とバランス、ミネラル量など母乳に近い栄養バランスにこだわっている。「アイクレオ グローアップミルク」は1歳~3歳頃までがターゲットで、強い身体づくりをサポートする乳由来成分「MFGM」を幼児用ミルクに日本で初めて配合している。

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