設備投資を含む積極的な製品拡張により、「豆腐バー」の売上は毎年伸び続けています。2020年11月の発売から3年半で累計出荷本数は6500万本に。2022年と2023年には、日経POSセレクション「大豆たんぱく食品カテゴリ」の売上No.1※を2年連続で受賞するほどまでに成長しました。
売上が拡大するにつれて増えてきたのは、海外からのお問い合わせです。
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「豆腐バー」売りたいけど、海外へ輸出できますか?
海外からのお問い合わせは非常に嬉しいお話ですが、簡単にお応えすることができませんでした。なぜなら、「豆腐バー」はチルド商品であるがゆえに賞味期限が短く、輸送時の温度変化による品質劣化も懸念されるためです。目の前にチャンスが広がっているのに手が届かないもどかしさを感じていた時に、また奇跡的な巡り合わせがありました。
その巡り合わせとは、足を運んだ食品展示会場でデモを行っていた「超高速凍結機」でした。「なんでも凍らせられます!」との呼び声に、「豆腐もですか?」と冗談交じりに質問をすると、「はい」という答えが返ってきたのです。「本当ですか!?」と説明を求めたのが、豆腐バーの海外輸出時に欠かせないパートナー、ゼロカラ社さんとの出会いでした。
一般的に、食品を凍結するためには、食品を冷やすことで中の水分を徐々に氷の結晶にさせ、大きな氷塊をつくります。しかし、これが細胞膜を壊してしまうことにつながるので、解凍時に肉や魚はドリップが出たり、野菜は食感がスポンジのようになったりします。
しかしゼロカラさんの「超高速凍結機」は氷の結晶化が起きる温度帯(-5~1℃)を比較的短い時間で通過するので、食品内の水分の氷結晶化を抑えることができます。その結果、細胞膜を破断することなく、解凍時にも冷凍する前の食品とほとんど同じ状態を再現することができるのです。
この運命的な冷凍技術との出会いにより、輸出の障壁であった賞味期限と輸送時の品質劣化の問題を解決し、日本国内で食べられている美味しさと品質をそのまま海外へお届けできる目途が立ちました。
「超高速冷凍」の技術を採用することで、海外輸出にも耐えられるようになった。