「豆腐で世界征服」の第一歩 開拓に必要な常識を打ち破る力とは

なぜ海外進出にシンガポールを選んだのか

海外輸出の準備が整ったのとちょうど同じタイミングで、シンガポールの小売店さまから、ぜひ「豆腐バー」を販売したいとのお問い合わせが入りました。私たちの冷凍試験と並行して、ゼロカラさんと業務提携をしている国分グループ本社さんが、販売先の開拓も進めてくださっていたのです。シンガポールでアサヒコの「豆腐バー」が着目されたのには、大きく4つの理由がありました。

シンガポールで「豆腐バー」が着目された理由

(1)“Made in JAPAN” ニーズ
・シンガポールでは「日本」「日本食」が人気
・旅行で食べた美味しい日本食を帰国後も食べたいが、シンガポールでは品揃えが少ない

 

(2)高齢化による健康志向
・シンガポールでも高齢化が進み、健康的な商品が求められている
・植物性、たんぱく質、食物繊維などが含まれている商品が人気

 

(3)簡便性
・シンガポールでも共働きが増加し、家事や食事にかかる時間を削減する簡便な商品が求められている

 

(4)円安のチャンス
・円安で日本製品を試し買いしやすい環境

それまでは上記のような4つのシンガポール現地のニーズと「豆腐バー」の特徴が合致することがわかったとしても、輸出にまつわる技術が追い付いておらず、進出できていませんでした。しかし今回は、ゼロカラさんと冷凍技術に出会っていたおかげで、シンガポールでの「豆腐バー」販売はとんとん拍子に話が進んでいったのです。

そして2024年4月末。シンガポールの500店舗に「豆腐バー 旨み昆布」がついに並び始めました。販売価格は1本2.9シンガポールドル(約339円)。凍結や輸送にかかる費用と現地で広がりつつある「サラダチキン」の売価とのバランスを踏まえて設定しました。最初の2週間はお試し期間として、2.5シンガポールドル(約292円)に値下げしての販促活動を実施。まずはシンガポールの生活者へトライアルを促すことを図りました。

写真 シンガポールの販売状況

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池田未央(アサヒコ 代表取締役)
池田未央(アサヒコ 代表取締役)

2018年にアサヒコ入社、2023年5月より現職。国内外の菓子・食品メーカーにて商品開発とマーケティングに25年以上従事。ブランドマネージャー、プロダクトマネージャーの経験から、商品を生み出す川上から消費者の手に渡る川下までを一気通貫してリードできる知識と経験を有す。また、各業界で新しい視点でヒット商品を手掛ける。

池田未央(アサヒコ 代表取締役)

2018年にアサヒコ入社、2023年5月より現職。国内外の菓子・食品メーカーにて商品開発とマーケティングに25年以上従事。ブランドマネージャー、プロダクトマネージャーの経験から、商品を生み出す川上から消費者の手に渡る川下までを一気通貫してリードできる知識と経験を有す。また、各業界で新しい視点でヒット商品を手掛ける。

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